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血書
「血書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
早乙女主水之介、天譴《てんけん》を加えて明鑒《めいかん》を待つ」 ぺたりとその
血書の一札を磔柱に貼っておくと、 「いかい御雑作に預かった。これなる四本の片腕は....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
ること、そして念のために後から河原へ行ってみると、紙片が落ちていて、開いてみると
血書でもって「パチノ墓穴を征服」としたためてあったことを知らせた。 「パチノの墓....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
書こうと努力してもけっして書けないに相違ない。ことに驚くべき一事は、新聞社へきた
血書の葉書が、つぎの「ジャック」の犯行時日を予言して、みごとに適中していることで....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
……。 何だ。持って来ているのか。ドレドレ見せ給え……。 ……ヤッ……これは
血書じゃないか。しかも立派な美濃紙が十枚以上在る。大変な努力だぞ。これは……投函....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
が、その多くは官吏で飯の懸念から十分に加勢もしてくれず。かつて大阪府の薄給官吏が
血書してこの意を述べ、空しく予の志を怜《あわ》れむと匿名書を贈られたが最上の出来....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
さっき浅草で拾ったのは、これも桔梗様の持ち物? ※瑁《たいまい》の櫛へ巻き付けた
血書! そうしてここには銀簪! とするとこれからも要所々々へ、何か品物を落とすも....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
通して見るという事が、どれほど若い者の心を動かしたか知れなかった。京都で大学生が
血書をして切《せつ》ない思いのあまりを言い入れたとかいうような事は、貞奴の全盛期....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
一
血書 「次郎さん、いらっしゃる?」 階段のすぐ下から、道江の声がした。 次郎....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
ガラな大声をたてた。 「何かあったら、彼奴ば一番先きにヤルんだ。」 「
血書」 「健ちゃ、徴兵よかったな。大した儲けだな。」――近所の小作だった。紙縒を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
った。この向島名物の一つに数えられた大伽藍が松雲和尚の刻んだ捻華微笑の本尊や鉄牛
血書の経巻やその他の寺宝と共に尽く灰となってしまったが、この門前の椿岳|旧棲の梵....
「望郷」より 著者:服部之総
諸君とともに五稜廓《ごりょうかく》に立っていた。 久保栄《くぼさかえ》『五稜廓
血書』の筋書はあらかた忘れてしまっても、この五稜廓に立つ感情は、一九五二年まで時....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
……。と見ると―― 口が裂けたように、白い前歯が何かくわえていた。 一|帖の
血書! いきなり、死首の歯から、孫兵衛がグッとそれを引ッたくったので、周馬は重....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かめなければ胸さわぎがしずまらない。そこには、彼が剣山で手に入れた秘帖、世阿弥の
血書が隠蔽してある。 周馬にちょっと口を辷らしたとおり、孫兵衛にはあの秘冊に血....
「三国志」より 著者:吉川英治
ンデコレニ負クコトアルナカレ。 建安四年春三月詔 「…………」 涙は滂沱と
血書にこぼれ落ちた。董承は俯し拝んだまましばし面もあげ得なかった。 「かほどまで....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しかもまだ三十代に、あえなく自殺した君だからである。 ところが。――その家時の
血書の“置文”(遺書)というものが、菩提寺鑁阿寺のふかくに、家時の霊牌とひとつに....