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血気
「血気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
笑《え》みかまけたひとみはそのままで、するすると男の顔を通り越して、左側の古藤の
血気《けっき》のいい頬《ほお》のあたりに落ちた。古藤は繰り戸のガラス越しに、切り....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
乗っ越さねえじゃ」 「こっとらの顔が立たねえんだ」と他の一箇《ひとり》は叫べり。
血気事を好む徒《てあい》は、応と言うがままにその車を道ばたに棄《す》てて、総勢五....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、一組になってこれから押登って、やっと連れて戻《もど》ったくらいでがす。ご坊様も
血気に逸《はや》って近道をしてはなりましねえぞ、草臥《くたび》れて野宿をしてから....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ぐれもその託でございました。が何か、最初の内、貴方が御逗留というのに元気づいて、
血気な村の若い者が、三人五人、夜食の惣菜ものの持寄り、一升徳利なんぞ提げて、お話....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
も、黄昏が白くなって、さて小留みもなく降頻る。戸外の寂寞しいほど燈の興は湧いて、
血気の連中、借銭ばかりにして女房なし、河豚も鉄砲も、持って来い。……勢はさりなが....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
人間なりとて、心柄によっては無事では済まない。かねて禁断であるものを、色に盲いて
血気な徒が、分別を取はずし、夜中、御堂へ、村の娘を連込んだものがあった。隔ての帳....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
かつは、硯友社の彦左衛門、と自から任じ、人も許して、夜討朝駆に寸分の油断のない、
血気|盛の早具足なのが、昼寝時の不意討に、蠅叩もとりあえず、ひたと向合った下土間....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
癪に障るっちゃあない、僕あもう大嫌だ。」 と臆面もなく言うて退けつ。渠は少年の
血気にまかせて、後前見ずにいいたるが、さすがにその妻の前なるに心着きけむ、お貞の....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
すめられて杯の遣取をする内に、娶るべき女房の身分に就いて、忠告と意見とが折合ず、
血気の論とたしなめられながらも、耳朶を赤うするまでに、たといいかなるものでも、社....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ては。」 山伏は押眠った目を瞬いて開けた。三造を右瞻左瞻て、 「お待ち下さい。
血気に逸り、我慢に推上ろうとなさる御仁なら、お肯入れのないまでも、お留め申すが私....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
う、それだけで、生命も惜しゅうはござりますまい。まして、人間のしいなでも、そこは
血気の若い奴でござります。死ぬのは本望でござりましたろうが、もし、それや、これや....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
骨を折る心配をしなければならないような馬が好きで、柔順でよく訓練された馬なぞは、
血気盛んな若者には価値がないと考えていたのである。 この物語の主人公がヴァン・....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
あなたと向い合っては、慙愧のいたりなんですが、私ばかりではありません。そのころの
血気な徒は、素人も、堅気、令嬢ごときは。……へん、地者、と称えた。何だ、地ものか....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ら袖も墨染となって、蓮の葉に迎えようとしたと、後に話した、というのは当にならぬ。
血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念が跳って、年の頃人の妻女か、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。 泰助は、幕の蔭よりこれを見て、躍り出んと思えども、敵は多し身は単つ、湍るは
血気の不得策、今いうごとき情実なれば、よしや殴打をなすとても、死に致す憂はあらじ....