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血涙
「血涙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血涙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
その場に打ち倒《たお》れ、語るに言葉なく、此所《ここ》にも綴《つづ》るレギヤツタ
血涙史《けつるいし》の一ペエジを閉じた≫
ボオトを漕ぐ苦しさについて、ぼくは、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
大声を張りあげた。「この出鱈目にして無恥厚顔なる現市長一派に対し、吾輩はこれから
血涙を払って、重大なる曝露を始める。正義の同志よ、吾輩の云うことに耳を藉せ」 ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
正孝、正力松太郎、横山雄偉、児玉誉士夫 以上五十九名 ◯蘇峰翁の所感詩一篇あり
血涙為誰振 丹心白首違 滄桑転瞬変 八十三年非 十二月七日 ◯けさのラジオは、....
「運命」より 著者:幸田露伴
を為りて戮に就く。時に年四十六、詞に曰く、 |天降。 |奸臣得猶。 |忠臣発憤兮
血涙交流。 |以君兮抑又何求。 |嗚呼哀哉兮庶不。 廖※廖銘は孝孺の遺骸を拾い....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は、その恭順をもってもっぱら京都に降るの意であるとなし、怒気|髪を衝き、双眼には
血涙をそそぎ、すすり泣いて、「慶喜|斬るべし、社稷立つべし」とまでいきまいた。も....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
尽くせない、天下の人心はまだまだ決して楽しんではいない、このありさまを目撃しては
血涙のほかはないと言って、時代を憂い憂い戦時の空気の中に病み倒れて行ったのも孝允....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
世士伝」、関直彦「春鶯囀《しゅんおうてん》」、井上勤訳、ジュール・ベルヌ「佳人の
血涙」、モア「良政府談」、大石高徳訳「蒙里西物語」「共和三色旗」等々がある。 ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の情愛なし、信義なし。見られよ、金内殿は貴殿の毒舌に遭い、先刻より身をふるわし、
血涙をしぼって泣いてござるわ。金内殿は、貴殿とは違って、うそなど言う仁ではござら....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
。 イネ国の崩壊! イネの国民にとっては、忘れることのできない一篇の多恨なる
血涙史であったが、アカグマ国人にとっては、それは輝かしき大勝利の絵巻物であって、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
で、人を斬って見るその血のことのみを言うのではない、自分の精神的にだ。精神的に、
血涙を呑むの苦闘を嘗《な》め来《きた》った、それを言うのだ。近藤を蛮勇一辺の男と....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
得意とする大|業物《わざもの》を打つに当たって、みずから半生を費やして編み出した
血涙の結晶たる大沸《おおわかし》小沸《こわかし》ならびに刃《やいば》渡しという水....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
乱、先生をして右往左往せしめてきた。ために先生は骨をけずり肉をそぎ、したたる汗に
血涙のにじむ月日を重ねたのである。しかも尚、力足らず、患者は激増し、流行性肝臓炎....
「探偵の巻」より 著者:坂口安吾
帰宅の報にこれも面目玉を踏みつぶした三宅君にやにやてれながら現れて、悲嘆の小生に
血涙したゝる同情を寄せ、然らば河豚に致さうと、河原町四条へ、生れて始めての河豚く....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
としてか、そろりと外して、じっとお篠を見下ろした。盲いかけている眼から流れる涙!
血涙であった! 「旦那様アーッ」 なおお篠は、雄之進の足へ縋り付こうとした。 ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ものでしかなかったのである。したがって、かりに田川大作のような狂熱的青年がいて、
血涙をふるって叛軍に同情するようなことがなかったとしても、塾生たちが冷静でありう....