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「血眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
うですね。新年の大市も直《じき》ですから。――町にいる商人も一人《ひとり》残らず血眼《ちまなこ》になっているでしょう。」 僕「町にいる商人と云うと?」 老人....
星座」より 著者:有島武郎
七時過ぎまでは食事もできないで、晩食後の片づけに小皿一つ粗※《そそう》をしまいと血眼《ちまなこ》になっている時、奥では一家の人たちが何んの苦労もなく寄り合って、....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
、ここにおいて狼狽《ろうばい》し、奮激《ふんげき》し、あらん限りの手段をもって、血眼《ちまなこ》になって、我が勇敢なる侵略者を迫害する。かくて人生は永劫《えいご....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
知らないでいたのは迂濶だと言われるのが嫌さに、まずもって僕の父に内通し、その上、血眼になってかけずりまわっていたかして、電車道を歩いていた時、子を抱いたまま、す....
深夜の市長」より 著者:海野十三
に悄気ていた。 T市の鍵! いま高屋市長と「深夜の市長」と黒河内警視総監とが、血眼になって探し求めている黄金の鍵は、一体何処に潜んでいるのだろうか。 「……大....
白蛇の死」より 著者:海野十三
は、忽ち土地の警察は言うまでも無く、警視庁|強力犯係の大問題となって、時を移さず血眼の大捜索が開始された。お由の屍体は直ぐに大学病院に運ばれて解剖に附されたが、....
大脳手術」より 著者:海野十三
れだけは売ることはできない。 欠乏と懊悩を背負って喘ぎ喘ぎ、私は相も変らず巷を血眼になって探し歩いた。しかし運命の神はどこまでも私に味方をせず、珠子とその仇し....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
りらしい。 こんなわけで、早いところ餌をもって押掛けたチーア卿の早業は、街頭を血眼になって金博士の姿を探し求めているルーズベルトの男女特使を、今も尚失望させて....
電気鳩」より 著者:海野十三
九羽しかいないのです。さあ、一羽はどこへ行ってしまったのでしょうか。きょうだいは血眼で家のまわりをさがすうちに、うらの竹やぶのなかに、つめたくなっている鳩の死が....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ので、泰山のごとく動かず、風采、千破矢家の傳たるに足る竜川守膳が、顔の色を変えて血眼になって、その捜索を、府下における区々の警察に頼み聞えると、両国|回向院のか....
錦紗」より 著者:犬田卯
……きっとこの辺に違いない。」 両手は朝露にぬれ、足も枯草と泥に汚れて、もはや血眼の彼女は、人に見られてもかまわず、野ばらの蔓の中まで掻き分けた。 「何だか、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ますがね、狂水が総身へ廻ると、小力が出ますんで、いきなりその箒の柄を蹴飛ばして、血眼で仕切ったでしょう。 可かろう、で、鍍金の奴が腕まくりをして、ト睨み合うと....
想い出」より 著者:上村松園
画が描きたくて堪らなく、その時分諸家の入札とか、或はまた祇園の屏風祭りなどには、血眼になって、昔の古画のうちから、私の人物画の参考を漁ったもので、そして夢中で縮....
活人形」より 著者:泉鏡花
けん天に朝しけん、よもやよもやと思いたる下枝は消えてあらざりけり。得三は顛倒して血眼になりぬ。 先刻に赤城得三が、人形室を出行きたる少時後に、不思議なることこ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
トロンが出来たんですの、それをまあどうして嗅ぎつけたか、吉川さんが知って憤慨し、血眼になって探し廻っているんです。それだけならまだいいけれど、そのパトロンの処へ....