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「血肉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血肉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
形《いろかたち》は変らずといえども、その正体《しょうたい》はおん主《あるじ》の御血肉《おんけつにく》となり変る」尊いさがらめんとを信じている。おぎんの心は両親の....
追憶」より 著者:芥川竜之介
者の一人だった。僕はこのヒサイダさんに社会主義の信条を教えてもらった。それは僕の血肉には幸か不幸か滲み入らなかった。が、日露戦争中の非戦論者に悪意を持たなかった....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
してしまったであろうと思われる、アノ××××が、栄螺の内臓でなくして、実は、君の血肉を別けた、あの胎児だったとしたら、ハテ君は矢張り、 『×××××を、ムシャム....
三人の双生児」より 著者:海野十三
児ノ同胞。(姓名在社××××)」 これをお読みになればお分りのとおり、妾はいま血肉をわけたはらからを探しているのである。今より十八年の昔というから、それは妾の....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
黒山を押崩す様にして分け入った一行の感覚へ、真ッ先にピンと来た奴は、ナマナマしい血肉の匂いです。続いて彼等は足元に転っている凄惨な女の生首を見ました。――頭顱が....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
よう。古来、いかなる蛮人にもこれほど下等な頭骨はない――と」 生きている原人、血肉をもった原始人骨――まさに自然界の一大驚異といわなければならない。 では、....
骨董」より 著者:幸田露伴
談で世間に通用しない。骨董が重んぜられ、骨董蒐集が行われるお蔭で、世界の文明史が血肉を具し脈絡が知れるに至るのであり、今までの光輝がわが曹の頭上にかがやき、香気....
連環記」より 著者:幸田露伴
する最善最恵の神の自然の方則であり、或る場合には自ら進んで神の犠牲となり、自己の血肉肝脳を神に献げるのを最高最大最美最壮烈の雄偉な精神の発露として甘んずるのを純....
出奔」より 著者:伊藤野枝
っていくだろうが、とにかくそんなものなしには一日も生きていくことはできないのだ。血肉の親子兄弟――それがなんだ。夫婦朋友それがなんだ、たいていはみな恐ろしく離れ....
学生と教養」より 著者:倉田百三
芸の傑作に触れた感動にも劣るものではない。そしてその感染性とわれわれの人格教養の血肉となり、滋養となり、霊感とさえもなる力もまた文芸の作品に劣るものではない。た....
学生と読書」より 著者:倉田百三
ただ受容してすまそうとするのは怠惰な態度である。というのは生と労作は危険を賭し、血肉を削ってしかなされないものであって、一冊のすぐれた著書を世に贈り得ることは容....
決闘場」より 著者:岡本かの子
痛みに止まらなかった。身に滲み渡る痛みによって二人は二人の底意を読んだ。盛り上る血肉の力闘の勢いに押されて彼等は互に対する平常の気持ちの我慢を突き破った。アイリ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
じなけりゃならないような何だ? 妹だ。……きょうだいは一つ身だと? 御免を蒙る。血肉も骨も筋も一つに溶け合うのは恋しい可愛い人ばっかりだ。何?――きょうだいは五....
美味放談」より 著者:北大路魯山人
ァ……。 にんにくは僕も好きな方だね。ああいうものは、なんとなしに少し食っても血肉になる感じがある。 にんにくの匂いも体にしみてくるが、ふぐなどというものも....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の外に出て、子供まじりに、毛深い男女のぽつんぽつんと佇んでいる姿を見ると、人種の血肉は争われないものだと観た。日本人の私なぞには通ぜぬ深い何かがある。アイヌのそ....