血臭い[語句情報] » 血臭い

「血臭い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

血臭いの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
蝨を、宝玉を拾うように大事に、一粒ずつ摘み取る。老いの残れる歯で噛み潰した。獣の血臭いにおいがして翁の唇の端から血の色がうっすりにじんだ。満山の風がまた亙る。 ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
しは、今思うと、まことに済まんことじゃったが、この御牢人様を一目見た時、なにか、血臭いものが眼の前へ来たようで、体じゅうの毛あながぞくとひき緊められるように恐か....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
だ母へ、及ばぬ回向だが、きょうは生きてる身にも、善根のよい一日を送ったなあ。……血臭い世間は嘘のようだ」 薄暮のあいろに向って、二人はなお、そこの縁に腰かけて....
私本太平記」より 著者:吉川英治
間たちの鬨の声が、その日のいくさを「勝った」「勝った」と誇り狂っていた。法の庭を血臭い姿の剣光にうずめて、かがり火やら松明やら、まるで天魔鬼神の乱舞なのだ。 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
今日はおちかいして来たのである。一族将兵たちの休養もだが、自身もまた去年いらいの血臭い生活をこの日に少し憩いたかった。……で、君からいただいた賜酒に染まって、頬....