血達磨[語句情報] »
血達磨
「血達磨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
血達磨の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間灰」より 著者:海野十三
へ降り注いでいる真下を舟で渡った男です。やがて帽子から顔から肩先から、融けた血で
血達磨のようになった男です。なるほどこの肉も血も、珠江夫人のではなかった。貴下の....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
するするとうしろの襖が開くと、降って湧いたかのように、そこへ姿を見せた男がある。
血達磨のように全身|朱に染って、喘ぎながら手をついているのです。 「ま! 怕い!....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
走ってきて、やにわにふすまを引きあける者があるので、振りかえってみると、どうだ!
血達磨のような左膳が、かこみを切りやぶって此室《ここ》まで来たのだ。 「萩乃さん....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
の実母は、死ぬ少し前に、始めて猿若《さるわか》の芝居を見た。三代目中村歌右衛門の
血達磨《ちだるま》で、母が江戸へ出て来て始めてこの大芝居を見たのであった。その頃....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
《うぬら》ア! 来いッ! かたまって来い! ちくしょう……ッ!」
築山の中腹に
血達磨《ちだるま》のごとき姿をさらして、左膳は、左剣を大上段に火を吹くような隻眼....
「怪しの者」より 著者:国枝史郎
わたしの見たものといえば、垂を下げた一梃の駕籠の前に、返り血やら自分の血やらで、
血達磨のようになりながら、まだ闘士満々としている、精悍そのもののような鶴吉が、血....
「徒歩旅行を読む」より 著者:正岡子規
に出た時には三種の紀行が同時に同新報の上に載せられた。その内で世間の評判を聞くと
血達磨の九州旅行が最も受けが善くて、この徒歩旅行は最も受けが悪いようであった。し....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
卑怯者――ッ」 と肋骨をはねつける。 「うーむッ……」とおめいたが、旅川周馬、
血達磨のように染まってまだ走った。しかし、それも六、七間、りゅうッと風を泳いでき....