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「衆愚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衆愚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
が、世間の者は、くわしい事理は知らずに、ただ敵討というだけで物を見ます。こういう衆愚の力は、恐ろしいものです。その吹く笛で踊る者が出てきます。それに、浅野浪人も....
鎖工場」より 著者:大杉栄
奴等をいくら大勢集めたって、何の飛躍ができよう、何の創造ができよう。 俺はもう衆愚には絶望した。 俺の希望は、ただ俺の上にかかった。自我の能力と権威とを自覚....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
心持を持たないということはなく、周囲もまた彼を冷たい眼で見ている。よし彼の所業は衆愚の眼をくらまし得ているとしてからが、彼がなるべく衆を避けるという気持が、群集....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、見ていられないのかも知れません。そうだとすれば、道庵が思わず義憤を発して、この衆愚を啓発してやろうという気になったのも、無理のないところがあります。 「そもそ....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
だ。がしかし、耳だけは一心にひっ立てる、というのも実際は敵にも味方にも用心して、衆愚には目をそむけるってわけだ。僕の社会遊泳の終わりは、君の兄貴の解釈によるとこ....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
世間一般に承認されたる慣例は愚かなるものと思わばまちがいなし。なんとなれば、そは衆愚を喜ばしむるものなればなり』さ」とデュパンはシャンフォオル(11)の言葉を引....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るを得なくなる。――フランスの大批評家らは純粋な音楽をしか容認しないで、その他は衆愚の手に任していた。 クリストフは自分の趣味がいかに劣ってるかを考えて、非常....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
伝統であった。万能の薬はラテンに復帰することにあると言ってる面白い者どももいた。衆愚を欺くような大言壮語を放って、地中海的精神の主権を本気で説いている者らもいた....
白痴」より 著者:坂口安吾
戦争と敗北が果して人間の真実に何の関係があったであろうか。最も内省の稀薄な意志と衆愚の妄動だけによって一国の運命が動いている。部長だの社長の前で個性だの独創だの....
次郎物語」より 著者:下村湖人
腹も立った。しかし彼は先生のために弁解してみる気には、少しもなれなかった。どうせ衆愚というものはそんな程度のものだ。そう思って、心の中で冷笑していた。 駅の見....
魔像」より 著者:林不忘
いか」 大変な学者だけに、魚のことをわざわざ魚族といった。こういう言葉を使って衆愚《しゅうぐ》を感心させるのが、わが魚心堂先生の主義だというのだが、これはどう....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ができるそうだ。だが民衆は、清水の考えるほど、新聞からダマサレ放題になるような、衆愚ではないのである。究極において、民衆はダマされない。ジャーナリズムの威力では....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
るか。法案を立てる人が、我輩はかく書いた、これより以上によいものはない、世論など衆愚のいうことがなにになるか、というような調子で、学者のこれに対する公平な批評す....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
豪、特権階級の集まりであるところの、最高政治機関の元老院、及びそれに追随するある衆愚の排撃によって、故国を去り、流離の後に自殺した。 こうしてローマによって突....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
生は祖父母に甘やかされて生長し、赤本を耽読して悉く之を誦じ、其他雑芸雑学に通じて衆愚に説法することを楽しむ一個の閑人であるが、胸に一物ある巧案という鍼医の画策に....