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行き
「行き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ら、美しい大和《やまと》の国原《くにはら》を足の下に見下して、ずんずん空を飛んで
行きました。
その中に髪長彦は、あの始めに通りかかった、三つ叉《また》の路の空....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
返せば、当時の苦衷が再び心の中によみ返って来る。――しかし、もうすべては行く処へ
行きついた。
もし、まだ片のつかないものがあるとすれば、それは一党四十七人に対....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
かしさがあるように思われる。ことに大川は、赭《あか》ちゃけた粘土の多い関東平野を
行きつくして、「東京」という大都会を静かに流れているだけに、その濁って、皺《しわ....
「運」より 著者:芥川竜之介
と云うばかりで、坂下の路を北へ北へ、抱きすくめたまま、引きずるようにして、つれて
行きます。泣こうにも、喚《わめ》こうにも、まるで人通りのない時分なのだから、仕方....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
には、何とかいう印度人の婆さんが住んでいます」と、気味悪そうに返事をすると、匆々
行きそうにするのです。 「まあ、待ってくれ。そうしてその婆さんは、何を商売にして....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
学殖が然しめる所にも相違ない。彼のカルテュアは多方面で、しかもそれ/″\に理解が
行き届いている。が、菊池が兄貴らしい心もちを起させるのは、主として彼の人間の出来....
「狂女」より 著者:秋田滋
ったが、そうかと云って、部下の兵士に命じてこの女を寝台から引き摺りおろすわけにも
行きかねたので、いささか持余したかたちだったが、やがて、彼は出し抜けにからからと....
「墓」より 著者:秋田滋
あたって、幽かな灯影が見えた。抜足差足、跫音を忍ばせて墓石と墓石のあいだを歩いて
行き、彼は眼を覆わしめるような冒涜行為を目のあたりに見たのである。 一人の曲者....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て明かさるべきにあらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと
行きかえるうち、巡行の巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の所用ありてこの橋上....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は決して無味乾燥ではない。電磁気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に
行き、入口の所でこみ合って喧嘩椅子にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮ら....
「寡婦」より 著者:秋田滋
などには、夕食がすむと、彼はよく私に向ってこう云いました。 「従姉さん、夢をみに
行きましょうよ――」 私たちは庭へ出ました。林のなかの空地の前まで来ると、あた....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いての話がでた。この男は、くだんの騎士がスリーピー・ホローに侵入しての帰りみちに
行きあい、馬のうしろに乗せられ、藪を通り、草むらを抜け、丘を越え、沼地をわたって....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
後にした。 とある山の中腹に羊飼いの姿を見かけると、二人はその男に訊いてみた。
行きずりの旅商人にも尋ねてみた。村に這入れば百姓に、町へ着けば役場へいって訊いて....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
しいものが、ひっきりなしに耳に這入ってくる。それはまた、足をむずむず歩く。足は、
行きたい、そういう場面が見られる処へ
行きたいという慾望でぶるぶる顫える。手を這う....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
の三人は、ある秋の末に、いつものように背中に炭俵を三俵ずつ背負って城下へ出かけて
行きました。三人が村を出た時は、まだ河の流れに朝霧がかかって、河原の石の上には霜....