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行きしな
「行きしな〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行きしなの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
なれば、職人の衣類を捨て故々藻西の如き商人の風に打扮ちプラトを連れて老人の許へ問
行きしなり、是だけにて充分藻西に疑いの掛るならんと思いたれど猶お念の上にも念を入....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
そこへ、僕等はしのびこんだ。そして、その山を隅から隅まで荒らした。 這入って
行きしなに縄にふれると、向うで鈴が鳴った。 すると、樫の棒を持った番人が銅羅声を....
「天馬」より 著者:金史良
口に向って南京虫のように動き出した。彼には固く念ずるところがあったのである。丁度
行きしなにコーヒーを運んで来る女の子とぶっつかりそうになると、ひったくるように茶....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
なって、出て行け、ああ、出て行ったるわい。おばはんとうとう出て行きよったが、出て
行きしな、風呂敷包持って行ったンはええけど、里子の俺は置いてきぼりや。おかげで、....
「雨」より 著者:織田作之助
もらおう」 母親もいっしょにと思ったが、豹一はひとりで飛びだしてしまった。出て
行きしな、自分の力で養えるようになったらきっと母を連れに来ますと、集金人の山谷に....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
隣家のS女は、彼女の生れた昨年の旱魃にも深い貯水池のおかげで例年のように収穫があった村へ、お米の買出しに出かけた。
行きしなに、誰れでも外米は食いたくないんだから今度買ってきたら分けあって食べまし....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
ように、大勢引具して客となって来るのには、随分気を使ったことであろうと、店を出て
行きしな、坂田がお内儀にしたていねいな挨拶が思い出されるのだった。 松本は気が....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
伊都子が伯父の酔のさめる時間まで知っていることが、信吉には不思議だった。 出て
行きしな、伊都子は、 「明日はもうお別れね。私、後悔しないわ。明日の朝、一緒に食....
「せいばい」より 著者:服部之総
これは初めひきさらしの時自宅の前に連れゆき、数分時間馬を立て、その後刑場へつれて
行きしなり」。 ついでに火刑のことを書いておこう。「ひあぶり」と「はりつけ」と....
「雨」より 著者:織田作之助
出て行け。 母親も一緒にと思ったが、豹一は、一人で家を飛び出してしまった。出て
行きしな、自分の力で養えるようになったらきっと母を連れに来ますと雇人の森田に後の....