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行き場
「行き場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行き場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
まりない。その証拠に、俳優が役の気持ちに同化した場合には別に注文しなくても視線の
行き場所や、その移行する過程が、ぴたりぴたりとつぼにはまって行く。 ちょうどそ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
時の生理状態に、てんで説明がつかなくなってしまうだろう。だから、その結論の持って
行き場は、爪や表皮がどういう時期に死んでしまうものか、考えればいい訳じゃないか」....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
面白いものか。気に食わねえ奴ばかり揃っている。ああどこかへ行きてえなあ」 彼は
行き場所を考え出した。 少年にあり勝ちの空想が、次から次と美の国を産んだ。草双....
「足迹」より 著者:徳田秋声
か知らないけれど、皆な運が悪い。」と、母親は、この家が畳まれてからの、自分の体の
行き場のないことを零した。 「湯島で来ておれと言うだけれど、たびたびのことだし、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
呻《うめ》いている。 「なるほど、この腑甲斐《ふがい》ない自分というものの持って
行き場は、身投げあたりが相当だろう、腹を切るという代物《しろもの》ではない」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ったものを、それが全く取れてしまえば、もう道は開けたので……その道は地獄よりほか
行き場のない道ではあるけれども。 お浜は手早く懐剣を拾い取って、盗み物を隠すよ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
刀を振り廻そうはずがない。それでは弁信か、茂太郎か。どちらにしても、想像の持って
行き場がないではないか。まして、お雪ちゃんにおいてをや。 同時に閃《ひら》めい....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
、あの戦争の最中、東京の人達の大半は家をやかれ、壕にすみ、雨にぬれ、行きたくても
行き場がないとこぼしていたが、そういう人もいたかも知れぬが、然し、あの生活に妙な....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
万葉巻十三） したがってその人のためにも、自分のためにも、それを傷む心の持って
行き場がないからである。どうしても彼のために祈り、自分の傷を癒やしてくれる人間以....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
中年男をそそりたてる杏のような娘である。 「フン。杏娘に拝顔しようや」 ほかに
行き場がなかった。どこにも、親しいものがない。多少、つきあってくれそうなのは、ル....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
う高野果物店の手に入ってしまった。高野氏はこの時停車場の拡張で立退きを命ぜられて
行き場に困っていた折柄なので、一方の交渉が破れるやただちに言い値の三万五千円で買....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
て行くのであった。 「それじゃお前さんはここ当分玉乗の一座にいるんだね」 「他に
行き場もないからな」 「それじゃいつでも逢えるのね」 「だが余り逢わねえがいい、....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
繰り返して悔いがないなら、それも結構。不和の良人との堪えがたい生活を忍び、ほかに
行き場も経験もないのでただ涙にくれているような夫人にくらべれば、当然この娘の生涯....
「あほう鳥の鳴く日」より 著者:小川未明
ある工場で働いていましたが、病気になったために、その工場から出されました。そして
行き場がなく、毎日雇われ口を探しているのです。」と、若者は答えました。 すると....
「雪の日」より 著者:近松秋江
だというんですもの。これが仲に立つ人でもあっていっしょになったのならば話の持って
行き場もあるが、二人で勝手にいっしょになっていて、あなたにそんなことを言われて、....