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行司
「行司〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行司の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
の道場に納会《のうかい》の試合がございました。その節わたくしは小左衛門殿の代りに
行司《ぎょうじ》の役を勤めました。もっとも目録《もくろく》以下のものの勝負だけを....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ものですが、今立ち上がるか、いま取り組むかと、さんざん手に汗をにぎらしたうえで、
行司が軍配を引くや同時に、ぷいと背をうしろに向けながら、おいどんが負けでごんすと....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
したが、清兵衛は無筆で、自分の細工をした物の箱書は毎でも其の表に住居いたす相撲の
行司で、相撲膏を売る式守伊之助に頼んで書いて貰う事でありますから、伊之助に委細の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
い。」 「困りものだな。荷物を付け出さなかったら、お前たちはどうして食うんだ。牛
行司にあったらよくそう言ってくれ。」 往来のまん中で、尋ねるものは問屋の九太夫....
「相撲」より 著者:寺田寅彦
円頂蓋状の屋根でおおわれた空間の中であるだけに、観客群衆のどよみがよくきこえる。
行司の古典的荘重さをもった声のひびきがちゃんと鉄傘下の大空間を如実に暗示するよう....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
最早果し合の域に達して居ります、社殿の前の大杉が二つに裂けて両人の間に落つるか、
行司役が身を以て分け入るかしなければ、この濛々と立ち騰《のぼ》った殺気というもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
み出る。両人首座の方へ挨拶《あいさつ》して神前に一礼すると、この時の審判すなわち
行司役は中村一心斎という老人です。 この老人は富士|浅間《せんげん》流という一....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
る。美々しい回しをつけた力士が堂々としてにらみ合っていざ組もうとすると、衛士だか
行司だかが飛び出して来て引き分け引き止める。そういう事がなんべんとなく繰り返され....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ぜん、思いがけないさわぎが起った。司令のそばへ副官がとんできたのだ。 「おお、飛
行司令。リント少将は、こっちに見えていないか」 「リント少将? 閣下は、こっちへ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
藤川近義先生ノ年廻リニハ出席ガ五百八十半人有ッタガ、ソノ時ハオレガ一本勝負源平ノ
行司ヲシタ、赤石孚祐先生ノ年忘レハ岡野デシタガ、
行司取締ハオレダ、井上ノ先伝兵衛....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぐい》が、見るまに鳥居前にいっぱいに群がって来ました。 それに前後して、年寄、
行司といったようなかおぶれが周旋している。 「ははあ、これはあの、遠州見附の相撲....
「金太郎」より 著者:楠山正雄
た手で地を掘って、土俵をこしらえました。 はじめに猿とうさぎが取り組んで、鹿が
行司になりました。うさぎが猿のしっぽをつかまえて、土俵の外へ持ち出そうとしますと....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
服したのであった。 同じことは、相撲を見るたびに、いつも感じた。呼出につづいて
行司の名乗り、それから力士が一礼しあって、四股をふみ、水をつけ、塩を悠々とまきち....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
っちあ蒼くなって、 (何の意趣だ。) と突立ち上ると、 (はり手というんだ。お
行司に聞いてみねえ。) と、空嘯いて高笑いをしたでしょう。 こけてるから、あ....
「伝通院」より 著者:永井荷風
あった。西、両国《りょうごく》、東、小柳《こやなぎ》と呼ぶ呼出し奴《やっこ》から
行司《ぎょうじ》までを皆一人で勤め、それから西東の相撲の手を代り代りに使い分け、....