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「行商〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行商の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
の優しい女である。夫の僕とも四人あることは前にもちょっと書いて置いた。第一の夫は行商人《ぎょうしょうにん》、第二の夫は歩兵《ほへい》の伍長《ごちょう》、第三の夫....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を出して貰って小商いでも始めるか、寺侍の株でも買ってもらうか、又は小間物や煙草の行商になる。お寺にむかし馴染があるので、煙草を売って歩くのが多かったようです。大....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
われたのが……お米でない、年増のに替わっていた。 「やあ、中二階のおかみさん。」行商人と、炬燵で睦まじかったのはこれである。 「御亭主はどうしたい。」 「知りま....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
て、百二十歳の寿を保った。 小龍 宗立本は登州|黄県の人で、父祖の代から行商を営んでいたが、年の長けるまで子がなかった。宋の紹興二十八年の夏、帛のたぐい....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
せると、その女は亡き妻と同名であることが判った。 もう疑うところはないと、父は行商に姿をかえ、その近所の往来を徘徊して、女の出入りを窺っているうちに、ある時あ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
その病的の賊心を恣にした盗品を順序よく並べてある。されば、お雪が情人に貢ぐために行商する四季折々の花、美しく薫のあるのを、露も溢さず、日ごとにこの洞穴の口浅く貯....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
の雑嚢をかけていた。見たところ、御料林を見分に来た県庁のお役人か、悪くいえば地方行商の薬売りか、まずそんなところであろうと重兵衛はひそかに値踏みをした。 こう....
北斗帖」より 著者:違星北斗
北斗の指は右に左に 売る俺も買う人も亦ガッチャキの 薬の色の赤き顔かな 売薬の行商人に化けて居る 俺の人相つく/″\と見る 「ガッチャキの薬如何」と人の居ない....
一老人」より 著者:犬田卯
草履や笠を手づくりしている一人の老婆と、ささやかな呉服太物の包みを背負って近村を行商して歩いていた四十先きの女房の姿である。この二人のほか、誰もこの家にはいなか....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ね。」 「ニヒリズムの破産ですかね。」 伝統拒否者 彼女は呉服ものの行商を営んでいた。家にいることはめったになかった。一週間も旅先から帰らなかった。....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
をもってかぞうるほどなり。これに次ぐものをスペイン、ポルトガル両国とす。ただし、行商はほとんどトルコ人の占有に帰し、ブラジル一国だけに百万人のトルコ人住すという....
空晴れて」より 著者:小川未明
、山本という感心な少年があった。父親は、怠け者で、その子の教育ができないために、行商にきた人にくれたのが、いま一|人前の男となって、都会で相当な店を出している。....
海のかなた」より 著者:小川未明
せんでした。 少年は、おじいさんのしたように、薬売りになったり、筆や、墨を売る行商人になったりして、旅をつづけました。 ただ一つ、そのおじいさんの持っていた....
お化けとまちがえた話」より 著者:小川未明
。」と、催促をしたのであります。 女房の家は、貧しかったのであります。主人は、行商をして、晩方、暗くならなければ帰ってこなかったのでした。せがれは、旅へ奉公に....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
らあてにしていただけに落胆も大きかった。だが仕方がない。私はつてを求めて昼は炭の行商を、夜はうどんの屋台車を引っぱることにした。昼夜兼行で働かなければ、とても食....