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行届く
「行届く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行届くの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
宗全とは異って、人あたりの柔らかな、分別も道理はずれをせぬ、感情も細かに、智慧も
行届く人であったが、さすがに大乱の片棒をかついだ人だけに、やはり※いところがあっ....
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
ることを、かれこれ思うのは決して利口な遣り方ではないのだ。信子は素敵だ。親切だ。
行届く。それでいいのではあるまいか。 結婚して間もない若い女性に、それ以上の注....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
たるフィルムの長尺物を感じることさえ出来る。 さて、近代的交通機関とその宣伝の
行届く限りの近郊風景は悉くこの黒髪の妖気と閑寂なる本堂の埃と暗闇の情景を征服して....
「文化学院の設立について」より 著者:与謝野晶子
教師と学生の間に家族的の親しさを持ち合うことも出来、また個別的の指導がかなりよく
行届くであろうと考えます。 * 将来私たちの文化学院から如何なる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はお気むずかしい方ではありませんか」 「いいえ、あれでなかなか察しがあって、よく
行届くお方ですけれど、好きと嫌いが大変お強くていらっしゃる、このお屋敷でも、幸内....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
が、お湯へ入れただけは当処も中々気が利いてますね」 幸「ウン此処の家は宜く手当が
行届くねえ」 由「大届きでげすとも、併し私は雷は大嫌いだね、甚く怖うございました....
「女の一生」より 著者:森本薫
もいうか……。 けい 性格……。 伸太郎 成程お前は一家の女主人としては実によく
行届く。店の仕事から奉公人の指図、台所から掃除洗濯、近所|交際、何一つとして手抜....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
く、絹布の上、枕頭の火桶へ湯沸を掛けて、茶盆をそれへ、煙草盆に火を生ける、手当が
行届くのでありまする。 あまりの上首尾、小宮山は空可恐しく思っております。女は....
「日記」より 著者:宮本百合子
に出て来ない。がまんしてやって居ると、段々頭の細まで活動し始め、隅々までちゃんと
行届くのである。故に、技巧上のこと、表現のことから云えば、いつも書いて居なければ....
「慶応義塾新議」より 著者:福沢諭吉
ちにあきたる長屋を借用し、かりに義塾出張の講堂となし、生徒の人員を限らず、教授の
行届くだけ、つとめて初学の人を導かんとするに決せり。日本国中の人、商工農士の差別....
「家庭習慣の教えを論ず」より 著者:福沢諭吉
ども能《よ》くその萌芽を出して立派に生長すると否《しか》らざるとは、単に手入れの
行届くと行届かざるとに依《よ》るなり。即ち培養《ていれ》の厚薄良否に依るというも....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
清くなって楽しい事でございましょう。しかしそれも大原さん一人の力では隅から隅まで
行届く訳に参りません。是非《ぜひ》とも貴娘《あなた》が内から助けて婦人社会を感化....