行平[語句情報] »
行平
「行平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行平の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
心しないが、これでも些とは資本が入るねえ、古道具屋へ往って、黒い土の混炉が二つ、
行平鍋が六つ、泥の鍋さ、是は八丁堀の神谷通りの角の瀬戸物屋で買うと廉いよ、四銭五....
「黴」より 著者:徳田秋声
衰弱しきっていた子供も少しずつ力づいて来た。お銀が勝手の方でといで来た米を入れた
行平を火鉢にかけて、粥を拵えていると、子供は柔かい座蒲団のうえに胡坐をかいて、健....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
皆驚いたらしかったが、何事もなく済んでから、シテの謹之介氏は床几を下って、「松の
行平はまことに有難う御座いました」と翁に会釈したという。 明治三十七年十月八日....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
て言葉足らずで、表現の才能が、主観の六分しか尽していないのである。さらに彼の兄|
行平《ゆきひら》に至っては、一層詩人的な情熱家であったにかかわらず、詩人としては....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
え遊女|黛《まゆずみ》、美貌無双孝心篤く、父母の年忌に廓中そのほか出入りの者まで
行平鍋《ゆきひらなべ》を一つずつ施したり、「わがかづく多くの鍋を施して、万治この....
「源氏物語」より 著者:紫式部
る空は同じ雲井か 総てのものが寂しく悲しく見られた。隠栖《いんせい》の場所は
行平《ゆきひら》が「藻塩《もしほ》垂《た》れつつ侘《わ》ぶと答へよ」と歌って住ん....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
巻一巻と、遺書を包んだ袱紗《ふくさ》とが、置かれ、その机と、枕との間には、豊後国
行平作の、大脇差が、堆朱《ついしゅ》の刀掛けに、掛かっていた。
調所は、白麻....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
。 女1 でも、そりゃ、病気には代えられませんわ。 男3 とにかく、それは死んだ
行平の物の怪ですよ。確かにそうです。……全く執拗いったらありゃしない……(左へ退....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
ある竹内克己氏の私宅で、支那服のよく似合う同氏の奥さん富子夫人や、僕の叔父の今井
行平などと共に晩餐をご馳走になった。 「疲労れているだろう、今日一日は国枝をして....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
飯から煮ても構いません。これもよく蒸れるように厚い鉄の深い鍋かあるいは重い土鍋の
行平《ゆきひら》がよく出来ます。よく世間では病人があると必ずこの白粥を食べさせま....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
い大きな窯場とて、東京の台所で用いられる雑器の多くは、この窯から運ばれます。鍋、
行平、片口、擂鉢、土瓶、火鉢、水甕、塩壺など様々のものを作ります。中で一番盛でも....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
約四百坪ほどの山芝の平庭を見ると、師の小野治郎右衛門忠明は、日頃、持ち馴れている
行平の刀を抜いて、青眼――というよりはやや高目にひたと構え、かなり距離を措いてそ....