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行年
「行年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
た揚句《あげく》、とうとう精神に異状を来した。死んだのは明治《めいじ》十年の秋、
行年《ぎょうねん》はちょうど五十三である。(註六)しかしこう云う最期《さいご》の....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
虚礼ではない。彼は粟野さんの語学的天才に頗《すこぶ》る敬意を抱《いだ》いている。
行年《ぎょうねん》六十の粟野さんは羅甸《ラテン》語のシイザアを教えていた。今も勿....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。
三十二
「幾つだ、あのお藤《ふじ》さんと云うのは?」
「
行年《ぎょうねん》十八、寅の八白《はっぱく》だ。」
大井《おおい》はまた新に註....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
みに傚《なら》えば、わたしも亦一鑵六十銭の蟹の鑵詰めを自慢しなければならぬ。不肖
行年六十一、まだ一度も芸術家のように莫迦莫迦《ばかばか》しい己惚《うぬぼ》れを起....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
はなかなかやかましいものだ。」 「まだそのほかに、名簿を出すことになっています。
行年何歳、父はだれ、職業は何、だれの紹介ということまで書いてあるんです。」 そ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いのもあれば、黙翁宗樹居士のやさしげなのもある。その中にまじって、明真慈徳居士、
行年七十二歳とあるは半蔵の父だ。清心妙浄大姉、
行年三十二歳とは、それが彼の実母だ....
「読書法」より 著者:戸坂潤
。氏は翻訳の意義に就いて夙に注目している文学者の一人である。モールトンの著書の発
行年度は決して新しいものではない。『世界文学』などは一九一一年に出ている。それか....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
右衛門という。後軍治と改めその後行度と改む。明治九年三月二十日卒す。行栄という。
行年五十四歳。 元来梅津家は前記の通り、黒田藩お抱えの能楽師の家柄として喜多流....
「連環記」より 著者:幸田露伴
大石なども更に見えなくても、蕭散な庭のさまは流石に佳趣無きにあらずと思われる。予
行年|漸く五旬になりなんとして適々少宅有り、蝸其舎に安んじ、虱其の縫を楽む、と言....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
い面した阿父がある。 いや、その顔色に似合わない、気さくに巫山戯た江戸児でね。
行年その時六十歳を、三つと刻んだはおかしいが、数え年のサバを算んで、私が代理に宿....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
症に罹る癖がある、その上老年にも及んだので終に回復を遂げなかったのであるらしい。
行年五十歳。しかし平素の主義として、君家のためにわざわざ東京へ上ってこの病のため....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
三年六月、相撲部領使某の従者として京へ上る途中、安芸国佐伯郡|高庭駅で病死した。
行年十八であった。そして、死なんとした時自ら歎息して此歌を作ったとして、山上憶良....
「光は影を」より 著者:岸田国士
蜂に関する重要著書だけでも、二十幾種類かあつた。彼はその題名、出版元、著者名、発
行年月を手帳に控えた。それから、彼は丸善へ行つて、欧米で発行されたこの種の書物を....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
」
と、うなずいて
「相違ない」
四人が、のぞき込むと、一行に、島津寛之助、
行年四歳と書かれてあって、その周囲に、細かい梵字がすっかり寛之助を取巻いていた。....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
りましたらね、(水木|藻蝶。)いい名でしょう、踊のお師匠さんに違いないのです。(
行年二十七)として、名を刻んだ地蔵様が一体、菅笠を――ああ、暑い、私何だか目が霞....