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行当り
「行当り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行当りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
――― 南と北から家屋が建てこめているため、常に日光に遮られている薄暗い道路の
行当りに、芥溜《ごみため》が見える、そこにミノルカではないが大きな黒い一羽の鶏が....
「人間腸詰」より 著者:夢野久作
。 その横ッチョの木煉瓦張りの通路をやはり女に手を引かれながら通り抜けて、奥の
行当りのドアを抜けるとヤット肩幅ぐらいの狭い廊下に出ました。その廊下は向う下りに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を立去ろうとするところへ、なにげない面《かお》をしてやって来る一人の男に、ハタと
行当りました。 「お早うございます」 「おや、お前は金助さんではないか」 「はい....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
走り続けたが、とうとう袋小路の中にとびこんでしまった。そこから先は路がない。ただ
行当りをさえぎっている塀は、そう高くはない。 「よし来た」 彼は咄嗟に、つつー....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かどわかすために屋敷へおいでになったのでございますか、わからなくなりました」 「
行当りばったり……めくらさがしに手にさわったところに縁があるのだから、おたがいに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
先生の世話が焼ききれず、お角親方には頭が上らない旅をして暮すよりも、こんな連中と
行当りばったりの旅をして歩いた方が気楽じゃねえかしら―― おいらだって、お君と....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の父親に逢ったのですか」
「何のためにとおっしゃられると、ちと変なんでげしてな、
行当りばったりに、袖摺《そです》り御縁というやつで、つい、関ヶ原の夕方お見かけ申....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
なったのでしょう」 「このごろは、江戸の市中へ辻斬ということが流行《はや》って、
行当りバッタリに殺《や》られる人が何人あるか知れません。ほんの近いところですけれ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
っけも持ち合わせてはいない。ただ盲目的に着のみ着のままで飛び出して来たのだから、
行当りばったり、行詰るにきまっている。行詰った時、最初の要求は、彼等にとっては死....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うな面《かお》をして、岩倉三位の門前を、振返り、振返りながら退却に及ぶと、それと
行当りばったりに、一つの団隊と衝突しました。衝突というわけではないが、危なく摺違....
「夏」より 著者:寺田寅彦
どって行く鉛筆の尖端が平野から次第に谿谷を遡上って行くに随って温泉にぶつかり滝に
行当りしているうちに幽邃な自然の幻影がおのずから眼前に展開されて行く。谿谷の極ま....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
支流だかの見境もなく、ただやたらに奥へ奥へと歩き、そして、日が暮れそうになると、
行当りばったりに、寺があれば寺、それがなければ農家に頼んで泊めてもらい、翌朝弁当....
「軽井沢にて」より 著者:正宗白鳥
くした宮庭に置くことを空想し、熱帯地方の風景の中に置くことを空想し、しまいには、
行当りばったりの旅館に置くのが却って彼女に相応《ふさわ》しいと空想して、独りでホ....