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「行方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
が御二方、どうやら鬼神《おにがみ》のたぐいにでもさらわれたと見えて、一晩の中に御行方《おんゆくえ》が知れなくなった。」 「大臣様は大そうな御心配で、誰でも御姫様....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
やら、あるいはまた東海の波を踏んで唐土《もろこし》に御渡りになったとやら、皆目御行方《かいもくおゆくえ》が知れないと申すことでございます。この方などは若殿様とも....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
の城下へはいった。 松山に渡った一行は、毎日|編笠《あみがさ》を深くして、敵の行方《ゆくえ》を探して歩いた。しかし兵衛も用心が厳しいと見えて、容易に在処を露《....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
もない、下品な風采《ふうさい》を具えていた。お蓮はこの老人の前に、彼女には去年|行方《ゆくえ》知れずになった親戚のものが一人ある、その行方を占って頂きたいと云っ....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
第に緩《ゆる》い斜面をつくって、高粱と高粱との間を流れている、幅の狭い濁り川が、行方《ゆくて》に明《あかる》く開けた時、運命は二三本の川楊《かわやなぎ》の木にな....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
には気がつかない。青い煙草の煙が、鼻眼鏡を繞《めぐ》って消えてしまうと、その煙の行方を見送るように、静に眼を本間さんから離して、遠い空間へ漂《ただよわ》せながら....
仙人」より 著者:芥川竜之介
う。鼠の数《すう》は、皆で、五匹で、それに李の父の名と母の名と妻の名と、それから行方《ゆくえ》の知れない二人の子の名とがつけてある。それが、嚢《ふくろ》の口から....
」より 著者:芥川竜之介
なげな犬はどこかへ姿を隠したため、夫人は五千|弗《ドル》の賞金を懸《か》け、犬の行方《ゆくえ》を求めている。 国民新聞。日本アルプス横断中、一時|行方《ゆくえ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
。が、それらの飼い主たちは拳を揮《ふる》うのに夢中になって、しばらくは誰も家畜の行方《ゆくえ》に気をとめる容子《ようす》は見えなかった。 が、その内に素戔嗚と....
手紙」より 著者:芥川竜之介
したばかりらしいのです。が、何でも夫になる人は煙草ものまなければ酒ものまない、品行方正の紳士でなければならないと言っていると云うことです。 「僕等は皆落第ですね....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
《うば》が一生のお願いでございますから、たとい草木《くさき》を分けましても、娘の行方《ゆくえ》をお尋ね下さいまし。何に致せ憎いのは、その多襄丸《たじょうまる》と....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
そうです。泰さんは三度びっくりした――びっくりした筈でしょう。何しろこれからその行方を見て貰おうと云う当の女が、人もあろうにお島婆さんの娘だと云う騒ぎなのですか....
三つの窓」より 著者:芥川竜之介
」などと言い、特に叮嚀に剃っていた顋を。…… この下士は罰をすました後、いつか行方不明になってしまった。が、投身することは勿論|当直のある限りは絶対に出来ない....
アグニの神」より 著者:芥川竜之介
疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。 「私の主人の御嬢さんが、去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 日本人は一句一句、力....
親ごころ」より 著者:秋田滋
業師の一行をみたジャンは、こっそり家を脱けだした。父親は足を棒のようにして息子の行方をさんざ探ねて廻った※句、ようやく探し当てることが出来たのであるが、ジャンは....