行書[語句情報] »
行書
「行書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の会社の辞令だった。手紙には退職慰労金の受け取り方《かた》に関する注意が事々しい
行書《ぎょうしょ》で書いてあるのだった。葉子はなんといっていいかわからなかった。....
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
、これは慮外、百千の思念の小蟹、あるじあわてふためき、あれを追い、これを追い、一
行書いては破り、一語書きかけては破り、しだいに悲しく、たそがれの部屋の隅にてペン....
「断崖の錯覚」より 著者:黒木舜平
く書き、それから、或る新進作家の名前を――いまは私の名前を、書き、それから、二三
行書いたり消したりして苦心の跡を見せ、それを女中たちに見えるように、わざと机のう....
「女の決闘」より 著者:太宰治
たま記憶に甦って来た曾遊《そうゆう》のスコットランドの風景を偲《しの》ぶ詩を二三
行書くともなく書きとどめ、新刊の書物の数頁を読むともなく読み終ると、『いやに胸騒....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
紙を書くにも隠れて漸う二行ぐらい書くと、親父に呼ばれるから、筆を下に置いて又|一
行書き、終いの一行は庭の植込みの中で書きましたが、蚊に喰われて弱ったね」 ....
「蒲団」より 著者:田山花袋
り始めた。けれど二三日来、頭脳がむしゃくしゃしているので、筆が容易に進まない。一
行書いては筆を留めてその事を思う。また一
行書く、また留める、又書いてはまた留める....
「猿面冠者」より 著者:太宰治
いちに考えられることは、その男は、きっと小説を書けないだろうと言うことである。一
行書いては消し、いや、その一行も書けぬだろう。彼には、いけない癖があって、筆をと....
「惜別」より 著者:太宰治
一箇所だけ、日本文に直してみましょうか。」 彼は便箋に何の苦もなくすらすら数
行書き流し、それから急に顔を赤くしてためらいながら私にそれを手渡した。私は一読し....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
り貴くないかも知れぬが左に右く恁ういう日本には珍らしい書目が十数種あった。 現
行書目にしも、英独仏露伊西以外、和蘭、瑞西、波蘭、瑞典、那威、澳太利、匈牙利、葡....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
一日氏の机上においてある紙片を見ると英語で座右の銘とでもいったような金言の類が数
行書いてあった。その冒頭の一句が「少なく読み、多く考えよ」というのであった。他の....
「カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
七、活字ノヒラガナヲ廃止シテモ文化的ニ何ラノ損失モナイ。我々ハ今マデニオイテモ
行書ノ活字ダノ草書ノ活字ダノトイウモノヲ持タナカツタガ、ソノタメニイササカノ不便....
「光は影を」より 著者:岸田国士
れ代りに、妹の多津が、速達が来たといつて、彼の手に一通の封書を渡した。 達者な
行書で、たしかに見覚えのある字体ではあつたが、一瞬、彼の頭は混乱して、信州松本在....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
る日取りを決める手紙を待ちこがれていたこととおもう。わたしも最初は、ほんの二、三
行書いて、おまえに帰ってもらいたい日を言ってやるだけにするつもりでした。しかし、....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
(〔Recherche de l'ide'al social〕)は一八六八年、単
行書として出版された。その後銀行員となったりしているうちに、一八七〇年六月、レオ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
速御家隷の役をしましょう。
ただ一つ願いたいのは、後に間違のないように
一寸二三
行書いて置いてお貰申しましょうか。
ファウスト
書物まで取るのかい。悪く....