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「行末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
人は、内に思うことが多くてかえって話は少ない。何となく覚束《おぼつか》ない二人の行末、ここで少しく話をしたかったのだ。民子は勿論のこと、僕よりも一層話したかった....
ネオン横丁殺人事件」より 著者:海野十三
」 「あたし、あのウなんですノ、昨夜は、ちょっと外泊したんですが……」と、彼女は行末を契ったNという青年と、多摩川の岸にあるH風呂へ泊りに行ったことを、真直ぐに....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
茶々々に圧潰されたシルクハットが一段と悲惨さを添えていた。 其傍の鉋屑の中に、行末は誰が家の令嬢貴夫人の襟を飾ったかも知れない駝鳥ボアが水にショボ湿れてピシャ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
覚ゆるは、 西天竺の白鷺池、 じんじょうきょゆうにすみわたる、 昆明池の水の色、行末久しく清むとかや。 「お待ち。」 紫玉は耳を澄した。道の露芝、曲水の汀にし....
黒百合」より 著者:泉鏡花
んだ。気の毒なほど深切にされる上に、打明けていえば迷わされて、疾く身を立てよう、行末を考えようと思いながら、右を見ても左を見ても、薬屋の金持か、せいぜいが知事か....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
びを致します。何うぞ私の罪をお恕し遊ばして、元のとおりこの不束な女を可愛がって、行末かけてお導きくださいますよう……。』 × × ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、境涯の懸隔は、これを如何ともするに由なく、ただ空しく、遠方から淪落の痴漢の暗き行末を、あわれみの眼もて見送るより外に、せん術がないのである。 この種の悪徳の....
母への追慕」より 著者:上村松園
ていたからなのであろう。 母が若後家になった当時、親戚の者が母や私達姉妹の行末を案じて、 「子供二人つかまえて女手ひとつで商売もうまく行くまい。姉のほうは....
初雪」より 著者:秋田滋
日を悲しく懶く送っていた。 再び寒さが訪れる頃になって、彼女は初めて自分の暗い行末をじいッと視つめるのだった。こののち自分は何をしてゆけばいいのだろう? そん....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
半信半疑でいるのは、それとなく胸中の鬱悶を漏らした、未来があるものと定り、霊魂の行末が極ったら、直ぐにあとを追おうと言った、言の端にも顕れていた。 唯その有耶....
三枚続」より 著者:泉鏡花
。気ばかりあせっていなさる中に旦那が大病、その御遺言でさ、夏に我儘をさせ過ぎた。行末が案じられる、盆画なんぞ止にして手習をしてくれと、そこで発心をなすったんだが....
式部小路」より 著者:泉鏡花
の容体を今聞いた、無意識にうたいつるる唱歌の声の、その身その身も我知らず、 身の行末をつくづくと、偲ぶ鎧の袖の上に、 散るは涙か、はた露か、 より低く、より悲....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
らぬが、「十ウで神童、ハタチで才子、二十以上はタダの人というお約束通り、森の子も行末はタダの人サ、」と郷人の蔭口するのを洩れ聞いて発憤して益々力学したという説が....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
らしくして、獅虎の如くに猛獣とは見えず。小熊はなおさら可愛らしく見ゆ。この小熊の行末は動物園の檻に入れらるるか、それとも撲殺せらるるか、いずれにしても人に捕えら....
活人形」より 著者:泉鏡花
利かれねば、黙して様子を見ているうち、別室に伴われ、一人残され寝床に臥して、越方行末思い佗び、涙に暮れていたりし折から、かの八蔵に見とがめられぬ。それのみならず....