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行来
「行来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行来の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
た。 骨格の逞しい、昔の大和民族の標本にもなりそうな若者達が、大声で喚きながら
行来する往来を、弱々しい、強調していえば、この地方の小娘より果敢《はか》なく見え....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
う、ご親類の、ご新姐さん。)――悉しくはなくても、向う前だから、様子は知ってる、
行来、出入りに、顔見知りだから、声を掛けて、(いつ見ても、好容色なや、ははは。)....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を見ばその腰巻を取り帰ってわれに渡せと命じた。ルチャ王その宮殿の屋根より太子の一
行来るを見、使をして汝は不断繁昌するの術を知るか、一日繁昌するの法を知るかと問わ....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
て即死したのを見たが帰って来た時にはもう何一つ見えなかった。運び去ったのだろう。
行来《ゆきき》の人はどたばたと歩いているが、かつてここに一つの生命が断ち切られた....
「大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
人息子に父親は生れたらしい。その時代の頽廃《たいはい》派でもあったのか、生家とは
行来《ゆきき》もせず、東京へ出て愛する者と共に住み、須磨子さんを生ませたのだった。 ――大正九年十一月――....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ら蕨峠を越していよいよの三里は、雪が降れば路が出来るけれど、夏草が繁ってはとても
行来は出来ぬのであった。 勝成裕及び立花直芳の一行十五人は、入折戸を未明に出立....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
嘆願の文を上げたからであった。父は娘を家からだすことを嫌って壺へおしこめ、手紙の
行来さえとめている。そればかりか、事ごとに鞭や杖で打つので、辛くてたまらない。嫁....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
いので、木村の飲み食した勘定を仕払って外へ出ると、横町は丁度座敷へ出て行く芸者の
行来《ゆきき》の一番|急《いそが》しい時分。今頃おくれてカッフェーへも行かれない....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
重五 しら髪いさむ越の独活苅 荷兮 もしくはその第四の巻の、 流
行来て撫子かざる正月に 杜国 つづみ手向くる弁慶の宮 ....