行止り[語句情報] »
行止り
「行止り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行止りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
か》におとなしくなって跡からついてゆく。 内廊下を突抜け、外の縁側を右へ曲り、
行止りから左へ三尺|許《ばか》りの渡板を渡って、庭の片隅な離れの座敷へくる。深夜....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ぬけて、田圃沿いの街道を小一里も行って、田中路を小山の中に入って、其山ふところの
行止りが其家であった。大きな長屋門の傍の潜りを入って、勝手口から名刺を出した。色....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
い。 ところがそこから二三十歩あるく中に……見付かった。狭い横路地のズッと奥の
行止りの処に赤い看板が見える。近寄ってみると真赤な硝子に金文字で「御支那料理」「....
「春昼」より 著者:泉鏡花
の小児を、坊やとも、あの児とも言うにこそ、へつらいがましい、お坊ちゃまは不見識の
行止り、申さば器量を下げた話。 今一方からは、右の土器殿にも小恥かしい次第でな....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
望を満しますに、手間の入ること、何ともまだるい。鰯を育てて鯨にするより歯痒い段の
行止り。(公子に向う)若様は御性急じゃ。早く彼が願を満たいて、誓の美女を取れ、と....
「雁坂越」より 著者:幸田露伴
この釜和原から川上へ上って行くと下釜口、釜川、上釜口というところがあるが、それで
行止りになってしまうのだから、それから先はもうどこへも行きようは無いので、川を渡....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
し通しに飛ばせば、四海のうちのいずれかへ行き止るにきまっている。
幸いに、その
行止りが存外早いことでありました。
当人は、どちらへいくら走ったか知らないが、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
踏んじまった」 がんりきは、自分をたのむだけに、相当に敵をも知っている。たとえ
行止りであろうとも、一方から追われる分にはなんでもないが、白昼、しかも城下町で、....
「日蔭の街」より 著者:松本泰
七 呆気に取られている柏を押飛ばすようにして私は廊下へ出た。突当りは便所で
行止りであるし、屋根裏へ遁《に》げる梯子も見当らなかったので、又部屋へ戻ってガリ....
「序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
も難解の疑問を提出して休まない。自己というその内容は何と何とだ。自己の生を追うた
行止りはどうなるのだ。ことに困るのは、知識で納得の行く自己道徳というものが、実は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
たが、そこはお広いようでした。その頃郵便局のあった横町から這入るので、左へ曲ると
行止りになる袋小路でした。小金井はアイヌ研究のために北海道へ二カ月の旅行をして、....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
亜鉛《トタン》の羽目《はめ》とに挟《はさ》まれた三尺幅くらいの路地で、右手はすぐ
行止りであるが、左手の方に行くこと十歩ならずして、幅一、二|間《けん》もあろうか....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
通ると、其後からお杉の痩せた身体が蛇のようにするすると抜け出して来た。 「ここが
行止りだね。」 お杉は首肯いた。市郎は一度消えた蝋燭に再び燐寸の火を点けて、暗....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
し、と付け加えて、 「とはいえ、かくいう武蔵も、実は今、何かまったく、壁のような
行止りと、ともすれば、おれは駄目かな? ――と疑いたいような、虚無に囚われて、何....