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行脚
「行脚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行脚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
決心しました。
それから一時《いっとき》ばかりたった頃《ころ》です。あの怪しい
行脚《あんぎゃ》の坊主《ぼうず》は、ちょうど雪の止んだのを幸い、小川通《おがわど....
「竜」より 著者:芥川竜之介
現した筈じゃ。が、予に談議を致させるよりは、その方どもの話を聞かせてくれい。次は
行脚《あんぎゃ》の法師の番じゃな。
「何、その方の物語は、池《いけ》の尾《お》の....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
くば御僧《おんそう》とご一所《いっしょ》に。
快く頷《うなず》いて、北陸地方を
行脚《あんぎゃ》の節はいつでも杖《つえ》を休める香取屋《かとりや》というのがある....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
だ光りが瞬《またた》いていた。その頃、騎西家の頭上にある沼の畔で、不安げに、雲の
行脚を眺めている一人の女があった。それは、見ようによっては三十近くにも見えるだろ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
血で赤黒く汚れていた。 そのときも彼はその負傷が、昨夜の梯子酒《はしござけ》の
行脚《あんぎゃ》のときにどこかで受けたものであろうとばかり考えていた。 彼は、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たる風も颯と涼しく、美女たちの面を払って、久能の麓へ乗附けたが、途中では人一人、
行脚の僧にも逢わなかったのである。 蝕あり、変あり、兵あり、乱ある、魔に囲まれ....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
次男坊で肌合の変っていた三四郎は、W大学の英文科を卒えると、教師になって軽々諸国
行脚の途についた。なんでも文学を志したというのだが、いまだ志成らずして、私とH市....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
なたんとこの息子さんを、モンパルナスのキャフェでよく見かけますよ」と、薄い旅費で
行脚的に世界一周を企て巴里まで来て、まだ虚勢とひがみを捨て切らない或る老教育家が....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
尊いお説教を聴問したような心持じゃ。 何、嘘ではありません。 見なさる通り、
行脚とは言いながら、気散じの旅の面白さ。蝶々|蜻蛉の道連には墨染の法衣の袖の、発....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
ぬとは考えられません。 これは、読んで読んで鼻についたほどの、アリスの不思議国
行脚ですけど、このなかには、青蟲や泣き海亀やロック鳥などが、この世にない、ふしぎ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
。それから地球を経めぐり、スタニスラウスキーの研究所を手始めにして、凡ゆる劇団を
行脚したのだった。 けれども彼の、俳優としての才能はともかくとして、その持論で....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
ひたし物にして、欺いてその男に食わして殺したという。それから最近の事件では、若い
行脚僧がそれを見たので、娘の父が憤って、熊猟に用いる槍で突殺したともいう。その死....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
冥福あれ、)と手にした数珠を揉んで、別れて帰るその後影を拝んだという……宗匠と、
行脚の坊さんと、容子がそっくりだった事も分りますし、跣足で路しるべをしたお婆さん....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
日前から方々の帰依者ン家をずっと廻って、一々、 (私はちっと思い立つことがあって
行脚に出ます。しばらく逢わぬでお暇乞じゃ。そして言っておくが、皆の衆決して私が留....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
、加賀の安宅の方から、きまって、尼さんが二人づれ、毎年のように盂蘭盆の頃になると
行脚をして来て、村里を流しながら唄ったので、ふしといい、唄といい、里人は皆涙をそ....