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行詰り
「行詰り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行詰りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
が左右に揺《ゆ》れだし、しっかり踏《ふ》みしめて歩かぬと、転げそうでした。廊下の
行詰りになった壁《かべ》をおすと、薄暗《うすぐら》い寝室《しんしつ》で、ランプが....
「新生」より 著者:島崎藤村
中の何方《どっち》か一人が死ぬより外に仕方が無いとまで考えて来たその時までの身の
行詰りを思って見た。
元園町は心地《ここち》よさそうに酔っていたが、やがて何か....
「読書法」より 著者:戸坂潤
根本概念が行き詰ったとして、ブルジョア的哲学者から受取られる。そこから資本主義の
行詰りを観念的に飛び越えようとして自然科学的概念に拠る認識の代りに、何か他の認識....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
」や、小倉金之助の「自然科学者の任務」と云うような正論がヒットする自然科学思想の
行詰りか、またはその貧困が、原因している結果なのだ。極言すれば、科学者の道が何者....
「立枯れ」より 著者:豊島与志雄
見たりしたのかどうか、そこは分らなかったが、今じっとすかして見ると、どこもここも
行詰りになってる感じだった。その息苦しい
行詰りの雲を、彼はもちあげようとしてみた....
「死ね!」より 著者:豊島与志雄
き延させるためにでも、なぜ働かないんだ。お前のような日々を送っていては、経済上の
行詰りに当面するのは初めから分っていたことだ。行詰ってから慌てても間に合わない。....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
められていたのでは、手も足も出なかったのである。 彼は生まれてはじめて、本当の
行詰りを経験した。箱の中に入れられて、押詰められるような感じである。たまらなくく....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に鉛筆でつつきあいながら、くすくす笑い出すのだった。そうなると、先生は、いよいよ
行詰りの打開が出来なくなるわけだが、しかし時として、先生に、その場合に拠する臨機....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
って来て、ほら、昨晩のあれでしょう。全く腐っちまうね……だが僕は、こんなところで
行詰りたくない」 やがて秋森家の門前へつくと、蜂須賀巡査はポケットから大きな巻....
「死体を喫う学生」より 著者:田中貢太郎
上衣を引っかけて廊下へ出た。学生は後を気にするように、時おり揮り返りながら廊下の
行詰りへ往って、それから階段をおりて往った。Mも蝙蝠のように体を壁へくっつけくっ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
トと叩いて気を着けた。振向くと眉を顰めて、かぶりを振って見せたので、 「癇、」と
行詰り、 「癇……癪なんぞお起しなすっちゃあ不可ません、紋床の親方なんぞも申しま....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ら亭主の我が連れて帰るに故障はあるまい。といわれて否とは言われぬば、得衛もぐっと
行詰りぬ。八蔵得たりと畳みかけて、「さあ、出して渡してくれ、否と言うが最後だ。と....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
。題名を「宝島」と改めたのはヘンダスンである。しかし、第十五章の次で作者は恐らく
行詰りを感じたのであろう、一度執筆を放棄したが、その冬を越すためにスウィスの保養....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ある。 そんなことを言うたところで、今すぐに出来る相談でもないし、彼はまったく
行詰りを感じた。 こんな
行詰りを感じている時に彼はいつも無生物に慰めを乞う習慣....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
多くが学校教師を職としている関係から、現代の学者、学生の研究生活なるもののかかる
行詰りが直接には如何なるところにその理由を求むべきかを考察し、その結果、諸科学に....