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行跡
「行跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
った。葉子は今さらに世間の案外に狭いのを思った。愛子といわず貞世の上にも、自分の
行跡がどんな影響を与えるかも考えずにはいられなかった。そこに貞世が、愛子がととの....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
い親類縁者が取り巻いている。これらがきのう今日は一つになって、内と外から外記の不
行跡《ふぎょうせき》を責め立てている。味方は一人もない。四方八方はみな敵であった....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
の目に涙を流しながら、口惜しがった。彼は、故中納言秀康卿が、ありし世の寛仁大度な
行跡を思い起しながら、永らえて恥を得た身を悔いた。正直な丹後は、盤面に向って追従....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
すがの覚光も顔の色を変えて驚いたが、迂濶に善昌を突き出すと、自分の女犯その他の不
行跡が残らず露顕する虞れがあるので、迷惑ながらともかくも隠まうことにして、お国の....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
際するなんて、芸者を細君にしていると云うじゃありませんか。汚わしい。怪しからん不
行跡です。実に学者の体面を汚すものです。そういう者の許へ貴娘出入りをしてはなりま....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
から、お話にもなりません。なんでも、女中の澄さんのいうところでは、なにか奥様に不
行跡があっての御離縁ではあるまいかなぞと申しますが、しかし私は、初めっから、奥様....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
つつあったわけである。 天文二十二年に義元が氏真を戒めた手紙がある。 「御辺の
行跡何とも無分別候、行末何になるべき覚悟に哉……弓馬は男の業也器用も不器用も不入....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
にふしてしまおうと努めている。しかも、こうした誹誘をこうむっている上に、さらに不
行跡な夫からは虐待されているにもかかわらず、快活な性格の彼女は少しも失望の色をみ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
ながらも凛としているので、遠いお菊の耳にもよく響いた。 「のう、播磨。この頃の不
行跡、一々にやかましゅうはいうまい。きっと改むるに相違ないか」 「は」 播磨の....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
は、分り切っているのであるから、その前に宿屋の娘と馴れ親んでいたなど、少しでも不
行跡を認められては工合が悪い。ここが我慢の仕所だと、そういう常識も出る事は出た。....
「書記官」より 著者:川上眉山
れも成功の後ならばともかく、それ、御存じの待合事件の後を受けて、またまた、そんな
行跡が社会へ暴露した日には、実はよくないことですからねえ。 そこで私折り入って....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
忍していたが、第一に女房のお熊は手代と密通しているらしいと云った。母のお常にも不
行跡が多いと云った。今度の一条もお菊の一存でなく、ほかに彼女を唆した者があるに相....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ました。そして運悪く、横町から出て来た若い女に思わず知らず振り向きました。夫の不
行跡を待ちもうけただけに、そんな些細なことでも妻のヒステリーに異常な刺戟を与えま....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
かった。立派な人格者と評判されている夫が、小間使に子供を産ませたなどと、そんな不
行跡を明るみに晒らされてはたまったもんじゃない、夫の不名誉は妻の不名誉でもあるか....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
横暴な振舞をすると云って、社宅の婦人達の反感を買い、何も知らない宮本氏へ夫人の不
行跡を洗い立てて、密告した者さえあった。それがために宮本氏は憤死したとさえ伝えら....