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行路
「行路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いをつづけている。が、それらは皆、この垂死の老婆にとって、相手の侍と同じような、
行路の人に過ぎないのであろう。――猪熊のばばは、次第に細ってゆく声で、何度となく....
「二つの道」より 著者:有島武郎
してきて、軌道の発見せられていない彗星《すいせい》の行方《ゆくえ》のような己れの
行路に慟哭《どうこく》する迷いの深みに落ちていくのである。
四
二つの道は....
「富士」より 著者:岡本かの子
霧に隠れた。 その日の夕近く、翁は垂れ雲を左手にした、垂れ雲の幕の面を平行する
行路の上を辿るようになった。落日の華やかさもなく、けさがたからの風は蕭々《しょう....
「赤外線男」より 著者:海野十三
何時まで経っても引取人が現れない。告知板に掲示をしてある外、午後一時のラジオで「
行路病者」の仲間に入れて放送もしたのであるが、更に引取人の現れる模様がなかった。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
足らず。」と。「道」は文字どおりの意味は「径路」である。それは the Way(
行路)、the Absolute(絶対)、the Law(法則)、Nature(....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の場合は、重ねていうが、ビルジングの中心にぶつかった。 また、それでなければ、
行路病者のごとく、こんな壁際に踞みもしまい。……動悸に波を打たし、ぐたりと手をつ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
にはいられなかった。 やっと彼の帰った後、僕はベッドの上に転がったまま、「暗夜
行路」を読みはじめた。主人公の精神的闘争は一々僕には痛切だった。僕はこの主人公に....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
、判らぬままに模倣して、第二の志賀直哉たらんとする亜流が続出するのである。「暗夜
行路」の文章をお経の文句のように筆写して、記憶しているという人が随分いるらしく、....
「兄妹」より 著者:岡本かの子
来ない前は郊外の家の自家用人力車で、女学校の寄宿舎から一人で家へ帰った単純な休暇
行路を思い出しながら、自分の寄宿舎に近い第一高等学校の寄宿舎へはいった兄と、今年....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
この広漠たる沙漠のなかを案内者は杖を振り先頭に立って道を進めた。自信のある足取で
行路を指揮する権威ある態度の彼は立派な案内者だった。 砂丘の蔭に石で蓋のしてあ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
日記」に譲る。欧州大陸旅行中の五絶は左に収録す。 八月遊歩去、樹下凍風来。(那威
行路所見) (八月には欧州の北に旅し、那の山には雪が幾重にも積もっていた。谷のあ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
い星霜は、互に学生時分には思いも設けなかった厳しさで、私達はそれぞれをそれぞれの
行路へと追い立てて来た。私達の卒業は同時にまた、欧洲大戦後の鉱業界不況の真只中へ....
「芸術は革命的精神に醗酵す」より 著者:小川未明
産物であり、装飾であり、娯楽であり、後者は、闘争的精神から生れた叫びである。純然
行路を異にするのは、それがためであります。 階級闘争は必然であり、すべての人間....
「ラスキンの言葉」より 著者:小川未明
もう昔となった。その頃、雑司ヶ谷の墓地を散歩した時分に、歩みを
行路病者の墓の前にとゞめて、瞑想したのである。名も知れない人の小さな墓標が、夏草....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
出すのもいけないが、さればと言って苦労に噛りつき、これに蝕まれるのも正しい人生の
行路者ではありません。 要は、苦労は苦労として冷静にその原因、性質を見究め、勇....