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行違う
「行違う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
行違うの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「加護」より 著者:宮本百合子
ウインドー》に、チラチラと日が照る。店頭に動く小僧の姿、黒い外套に息を白く見せて
行違う学生の通学姿等が、そろそろ、急しい午前七時の町筋を思わせる。 起きたばか....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。 (可厭だ、可厭だ、可厭だ。)と、こっちは夢中に出ようとする、よける、留める、
行違うで、やわな、かぐら堂の二階中みしみしと鳴る。風は轟々と当る。ただ黒雲に捲か....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
咲いて浅く重る花片に、曇のある趣に似たが、風情は勝る、花の香はその隈から、幽に、
行違う人を誘うて時めく。薫を籠めて、藤、菖蒲、色の調う一枚|小袖、長襦袢。そのい....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
危まれたが、対手が、しゃんと来いの男衆だけ、確に引受けられた酔漢に似て、擦合い、
行違う人の中を、傍目も触らず饒舌るのであった。 「時に、それについて、」 「あの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は水戸へ向って急ぐのだ、気のせいか山崎譲の後ろ姿のようにも見える。これらのものに
行違うと、七兵衛の足は外房に向って走りながら、心はどうしても京阪に向って飛ばずに....
「銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
悲しく覚えらるるなり、早き牛乳配達と遅れたる新聞配達は、相前後して忙しげに人道を
行違う、時はいま午前三時。 築地海岸にむかえる空は仄白く薄紅くなりて、服部の大....