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「行間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

行間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ろまん灯籠」より 著者:太宰治
書きつづけた。物語にも、なんにもなっていないが、長兄の誠実と愛情だけは、さすがに行間に滲《にじ》み出ている。 ――その顔は、ラプンツェルの顔ではなかった。いや....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
彼《か》もみんなお前にやるから何《ど》うか堪忍して、然《そ》ういう訳じゃアねえ、行間違《ゆきまちが》いだから」 甚「糞でも喰《くら》え、なに痛《いて》えと、ふ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
め、その解答が生れる日の怖ろしさをまた思うと、はては頭の中で進行している、言葉の行間がバラバラになってしまって、自分もともども、その中の名詞や動詞などを一緒に、....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
と原稿紙をめくって行った。原稿は乱暴な字で書きなぐられてあったが、何か荒い情熱が行間に迸っているのを感じた。 「大変な情熱ですね。」 彼は感じたままを呟いて、....
創生記」より 著者:太宰治
一文、読ンデ、私カカナケレバナルマイト存ジマシタ。多少ノ悲痛ト、決断、カノ小論ノ行間ヲ洗イ流レテ清潔ニ存ジマシタ。文壇、コノ四、五|年ナカッタコトダ。ヨキ文章ユ....
現代の主題」より 著者:宮本百合子
る要旨は進歩に目標をおいたものであり、ラディカルでさえあるものなのに、その文章の行間を貫く気魄において、何かが欠けていてものたりない。そういうことをしばしばきく....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
せる種類のものではない、という点である。ウッカリ油断して読んで行くと追随出来ない行間に出会うのが常だが、その形に現われない充実したブランクな行間は、なる程読者を....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
は小さくて不規則であったので、ゆるゆると気をつけて書く必要があり、肉眼で手元と、行間を注意して居るのであった。さもないと、すべてが混乱して、まとまりがつかないも....
丹下左膳」より 著者:林不忘
一枚の小さな紙に、ひとつの文句をはじめから書いていき、他の文句をしまいから逆に行間《ぎょうかん》に埋めて両文相|俟《ま》って始めて一貫した意味を持っているもの....
青春論」より 著者:坂口安吾
一部分を読んだだけでも、之はまことに驚くべき文献のひとつである。 この自叙伝の行間に不思議な妖気を放ちながら休みなく流れているものが一つあり、それは実に「いつ....
学生と教養」より 著者:倉田百三
調して、主観的制約を脱せしめようと努め、また学的には充分な生の芸術的感覚の背景が行間に揺曳して、油気のない道学者の感がないからである。 初学者はこの書によって....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
掌、と書かれた敬虔《けいけん》な著であるので、信頼して読ませて頂いたからだ。その行間からわたしは何を見たか―― 籌子《かずこ》夫人のこのお婿さん工作も、愛弟だ....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
か、そんな中でも、美妙へは消息していた。手紙では人目が煩《うる》さいので、書籍の行間に、切ない思いを書き入れては送った。 秋の早いみちのくに、九月の風がサッと....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
とぐらい仕様のないものは無い、知らずに居ればボヤ/\もえ出しますからね、何ういう行間違いか知りませんが、花魁はあなたのお胤を宿してゝも、あなたが此方へ御窮命にな....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
する。高等専門学校の教科書を読んで、なるほど巧みにまとめているが、ちょうど活字の行間の余白と同じだけこの著者の頭脳にも余白のあるのを見出す。月々の学術雑誌を読ん....