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衒学
「衒学〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衒学の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
卒直なる感情よりも零細なる知識を重んずるものである。この故に処女崇拝者は恋愛上の
衒学者《げんがくしゃ》と云わなければならぬ。あらゆる処女崇拝者の何か厳然と構えて....
「食魔」より 著者:岡本かの子
のもの」としたなら、死もまた「これは、まず、これだけのもの」に過ぎなかった。彼は
衒学的な口を利くことを好むが、彼には深い思惟の素養も脳力も無い筈である。 これ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
……まさにそれは、革鞭のような虹でした。ですが、犯人を気取ってみたり、久我鎮子の
衒学的な仮面を被けたりしている間は、それに遮られていて、あの虹を見ることが出来な....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
、君が困っているほど困っている人間ってのは見たことがないよ。もっとも、あの頑迷な
衒学者のラニョンが、彼のいわゆる僕の科学的異端で困っているがね。いや、彼がいい男....
「推理小説について」より 著者:坂口安吾
事実を的確に表現するために機能を発揮すべきものだ。 その次に、日本の探偵小説は
衒学すぎるところがある。ヴァン・ダインの悪影響かと思うが、死んだ小栗虫太郎氏など....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
以上のいかなる本も所持してゐないのである。かういふシブイ人物であるから杉山英樹の
衒学的大風呂敷とはソリが合はないので、由来
衒学者は田舎者であり、郡山は最もイキ好....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
となる真理を強く要請した。 「日本第一の知者となし給へ」という彼の祈願は名利や、
衒学のためではなくして、全く自ら正しくし、世を正しくするための必要から発したもの....
「「刺青殺人事件」を評す」より 著者:坂口安吾
るから、本格探偵小説は書ける筈のない方々だ。 横溝君のも一つ偉いのは、くだらぬ
衒学性のないことだ。文章も益々うまくなっている。月刊読売の「ビックリ箱殺人事件」....
「推理小説論」より 著者:坂口安吾
になったもので、アマチュアあがりらしく挑戦をたのしんでいる素人のよさや、ついでに
衒学をひけらかして読者を煙にまいている稚気のほども面白くはあるが、素人の悲しさに....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
厚さには独断の臭みがなく、その講義は、あけっぱなしで、人の好さがあらわれ、どんな
衒学的な考え方もしなかった。教授は数えきれない方法で私のために知識の道を歩きやす....
「ピエロ伝道者」より 著者:坂口安吾
給え。しかしひねくれた道化者になり給うな。寄席芸人の卑屈さを学び給うな。わずかな
衒学をふりかざして、「笑う君達を省みよ」と言い給うな。見給え。竹竿を振り廻す莫迦....
「新らしき文学」より 著者:坂口安吾
疑それ自身は別である、突きつめるところ、自信なく、且つ自己を主張せんとする因循な
衒学的な気取りはもう私に必要でない。我々の時代には飛ぶ矢は常に飛んでいる。身をも....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
少しも意気消沈した痕が見えないで相変らずの博引旁証をして気焔を揚げておる。馬琴の
衒学癖は病膏肓に入ったもので、無知なる田夫野人の口からさえ故事来歴を講釈せしむる....
「新案探偵法」より 著者:小酒井不木
も、「条件反射」の何物であるかを説明しなければなりません。こうした説明は、とかく
衒学的に見えるものでなるべくならば物語からは省きたいのですけれど、話が骨抜きにな....