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街筋
「街筋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
街筋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
疲れた人々が、時々、刺戟を外ずして気分を転換する為めに紛れ込むようなちょっとした
街筋―― 福ずしの店のあるところは、この町でも一ばん低まったところで、二階建の....
「うつり香」より 著者:近松秋江
と一生懸命に走った。すると暗いところをむやみに走って来たので二人とも方向のつかぬ
街筋に出てしまった。 二、三間先に走っていたお宮ははたと佇立って、 「どちらへ....
「道づれ」より 著者:宮本百合子
気器具屋、美髪所、どれも表通りへは張りかねる苦しい店をこの横丁に開いているという
街筋であった。ビリアードの赤と白との球のついた広告が出ている先に、埃でくもったよ....
「二人いるとき」より 著者:宮本百合子
せているネオンライトや装飾燈が無く、中天から月の明りを受けて水の底に沈んだような
街筋を行くと、思いもかけない家と家との庇合いから黒く物干が聳えて見えたり、いつも....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
どこか判らぬ真暗になった田舎道を一直線に駆け出していた。
やがて明るい、美しい
街筋に走り込んだ……。
間もなく暗いゴミゴミした横町を突き抜けた……。
三味....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
した。 ロンドンは八月の太陽の下に都市計画《タウンプランニング》のない大都市の
街筋をひろげている。公園のまわりにはいろんなアーチがあった。公園の濃く茂った木と....
「インターナショナルとともに」より 著者:宮本百合子
の姿が巨大に素朴にかかれている。 閲兵式につづいてデモはモスクワ全市のあらゆる
街筋から、この赤い広場に流れこむ。 日が暮れて、すべてのデモが解散した後も、こ....
「メーデーに歌う」より 著者:宮本百合子
いる。あらゆる人群は、モスクワの中央部へ、赤い広場へと注ぎこまれて、すこし離れた
街筋は、人気ない五月の空に、街頭ラジオが溢れだす音楽と大群集の歓呼の声をまいてい....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
をなぐさめるためにと、旅宿の近所で花火をあげさせてばかりいた男の事や、彼女の通る
街筋《まちすじ》の群集が、「奴《ヤッコ》、奴《ヤッコ》」と熱狂して馬車を幾層にも....
「小公女」より 著者:菊池寛
菊池 寛 ある陰気な冬の日のことでした。ロンドンの市中は、非常な霧のために、
街筋には街燈が点り、商店の飾窓は瓦斯の光に輝いて、まるで夜が来たかと思われるよう....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かそこを通っている好ちゃんの上を思いやるという次第でしょう、いくとおりもの家並や
街筋やに遮られて、好ちゃんの歩いてゆくその道は見えないにしろ、いづみ子の胸に、あ....
「四国遍路日記」より 著者:種田山頭火
近来にないおちつき、七時前出発、橋を二つ渡るとすぐ安芸町、午前中行乞、かなり長い
街筋である、行乞しおえると雨になった、雨中を三里あまり歩いて和食町、教えられた宿....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
浦河に沿って悠々と、仏租界の方へ歩いて行った。彼の道順には租界中での一番賑やかな
街筋が――すなわち黄浦河の岸上の街と、蘇州渓の街とが軒を並べ、街路整斉と立ってい....
「日輪草」より 著者:竹久夢二
くのが、熊さんの仕事でした。 熊さんがこうして、毎日水を撒いてくれるから、この
街筋の家では安心して、風を入れるために、障子を明けることも出来るし、学校の生徒た....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
どこを見てもおそろしい貧乏と窮屈、堕落と泥酔、偽善と虚偽ばかり。だのにどの家にも
街筋にも、静けさと安らぎが立ちこめていて、五万人の市民のなかに誰ひとり声を大にし....