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「街頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

街頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
学んだ。少くとも本に負う所の全然ないものは一つもなかった。実際彼は人生を知る為に街頭の行人を眺めなかった。寧ろ行人を眺める為に本の中の人生を知ろうとした。それは....
或る女」より 著者:有島武郎
れて、往来には厨《くりや》の煙とも夕靄《ゆうもや》ともつかぬ薄い霧がただよって、街頭のランプの灯《ひ》がことに赤くちらほらちらほらとともっていた。通り慣れたこの....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
い文明を建設する競争に転換するのである。現にわれわれが子供の時分は、大人の喧嘩を街頭で見ることも決して稀ではなかったが、今日ではほとんど見ることができない。農民....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
指紋だらけで識別もなにも出来たもんじゃない。この泥足の跡も結構だが、これでは銀座街頭で足跡を研究する方がまだ容易かも知れない。犯行時間に確実なる現場不在証明をな....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
びた毒瓦斯が、霧のように渦を巻いて、路上一杯に匍ってゆく。死屍累々、酸鼻を極めた街頭が、ボッと赤く照しだされた。市民の鮮血に濡れた、アスファルト路面に、燃えあが....
赤外線男」より 著者:海野十三
とに眼をつけた。 テレヴィジョンは、実験室に居て、その映写幕の上へ、例えば銀座街頭に唯今現に通行している人の顔を見ることが出来るという器械だ。これが室内の様子....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
を今夜の夕刊にデカデカ書き立てることを申合せたのだった。 夕刊の鈴の音が喧しく街頭に響くころ、大江山課長はにがりきっていた。 「しようがないなア。こう書きたて....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
災者を生じたが、今度はその数倍らしい。 ◯今日は三日月だが、罹災者の姿痛々しく、街頭や電車内に見受ける。軍公務通勤者以外は切符を売らない。 ◯三月十日に焼けた区....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
装って、よろよろ歩いていたし、一方ルーズベルトの特使の方は、男使と女使の二人組で街頭一品料理は如何でございと屋台を引張って触れて歩いていたのである。 チャーチ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
て、助かろうと思うても埒明かんよ。我輩あえて憚らず、こうやって手を握ったまま十字街頭を歩くんじゃ。誰でも可い、何をすると咎めりゃ、黙れとくらわす。此女取調の筋が....
読書子に寄す」より 著者:岩波茂雄
に励まされて生まれた。それは生命ある不朽の書を少数者の書斎と研究室とより解放して街頭にくまなく立たしめ民衆に伍せしめるであろう。近時大量生産予約出版の流行を見る....
三枚続」より 著者:泉鏡花
である。 戸外は立迷う人の足、往来も何となく騒がしく、そよとの風も渡らぬのに、街頭に満ちた露店の灯は、おりおり下さまに靡いて、すわや消えんとしては燃え出づる、....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
丁度|巌本善治の明治女学校が創立された時代で、教会の奥に隠れたキリスト教婦人が街頭に出でて活動し初めた。九十の老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢....
西航日録」より 著者:井上円了
、ただこの三都なり。余は、詩をもって各都の繁華の一端を述ぶ。 巴里夜景 巴里街頭夜色清、樹陰深処電灯明、満城人動春如湧、酌月吟花到五更。 (巴里の夜景 巴....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
はすべて木造、トタン屋根にして、二階を限りとす。気候は年中夏のみにて春秋冬なく、街頭は樹木に乏しく、わずかに檳榔樹くらいを見るのみ。ゆえに、日光ただちに赤土に反....