衝き上げ[語句情報] » 衝き上げ

「衝き上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衝き上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
りが鈍く重く五体の奥の方だけを動くようで、それが胸のところを下の方から気味悪るく衝き上げた。眼界がだんだん狭まって、火鉢にかざされた、長い指の先がぶるぶる震えど....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
の姿でもあることを想像した。すると熱いものが脊髄の両側を駆け上って、喉元を切なく衝き上げて来る。彼は唇を噛んでそれを顎の辺で喰い止めた。 「おれは平気だ」と云っ....
河明り」より 著者:岡本かの子
ちまちきらりとなつかしそうな瞳が覗き出た。 「…………」 「…………」 感情が衝き上げて来て、その遣り場をしきりに私の胸に目がけながら、腰の辺で空に藻掻かして....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れている。ところで、ファウストの呪文に現われる妖精の数が判ると、それがグイと胸を衝き上げてくるだろう。何故なら、旗太郎をはじめ四人の外人の中で、その一人が犯人だ....
越年」より 著者:岡本かの子
心して確っかり握りしめてついて来た加奈江は、必死に手に力をこめるほど往時の恨みが衝き上げて来て、今はすさまじい気持ちになっていた。 「なぜ、私を撲ったんですか。....
大岡越前」より 著者:吉川英治
逃げ去って行く。 「あっ、女?」 お袖だ。お袖にちがいない。義平太は身ぶるいに衝き上げられた。与力という使命感。十手を持つ身。御用っと、無意識のうちに叫んでい....