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衝動的
「衝動的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衝動的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
咳は彼には大禁物だった。死の脅《おびやか》しがすぐ彼には感ぜられた。彼はほとんど
衝動的にその場にうずくまって、胸をかがめて、膝頭に押しつけるようにして、なるべく....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
つきがもう一種の快感だった。 陽子への面あてが咄嗟に放浪を思いつかせる――この
衝動的な破れかぶれは、ませてはいても二十三歳という歳のせいか、それとも教養のなさ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
せいでもある。だから、このようにこせこせした意見だけを小出ししているわけだった。
衝動的にしか物ごとが考えられず、従って行動出来ず、自尊心の振幅が彼を動かしていた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
慄毛立った気がした。犯人はまさしく人形を使ったに違いないのだ」
法水は相変らず
衝動的な冷笑主義を発揮して、
「なるほど、土偶人形に悪魔学か――犯人は、人類の潜....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
のコンゴの奥ふかくにくるまで、ゴリラには一度も逢わなかったのだ。そこで、ほとんど
衝動的に連発銃をとりあげようとした。すると、土人が一人飛びついて銃をおさえ、 「....
「光の中に」より 著者:金史良
、やはり母に対する温かい息吹はひしめいていたのであろう。彼が朝鮮人を見れば殆んど
衝動的に大きな声で朝鮮人朝鮮人と云わずにはおれなかった気持を、私はおぼろながらに....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
してありまして、二つ共に灯が入って居りました」 「ホウ、赤い筒提灯が※」と法水は
衝動的に呟いたが、その下から、眼を挙げて先を促した。 「それから池の畔に行ったの....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
た。夕ぐれ、私は絶望と混迷と疲労とで家にかえった。その日から、私は死にたいという
衝動的な欲望が連続して頭の中をからまわりした。私は学校をずっと休んだ。国語の教師....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
わ―― ――阿難がみじめだわ。仁科六郎を愛している阿難がみじめだわ―― ――
衝動的なものだろうか、いいえ、下宿を出る時、今夜は用事で帰れませんと云ったんだわ....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
わ。それ迄に、私は、随分出たらめを云いました。結婚するんだ。来年。そんなことを、
衝動的に、たくさん云ったのです。じっと私の顔をみてました。そして、次の木曜日、再....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
同する。そこに泡鳴の行動が彗星の如く出現し発光する。彼に対する批評はいつでもこの
衝動的な実行に向けられる。一度念頭に湧き上ったものを、善くも悪しくも、直ちに実行....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
な人物を自ら生き得るまでにならねばならぬ。しかも、それは、ただ観念的にではなく、
衝動的にさえも、そうあることが望ましい。俳優の芸は、そういう複雑な人間の生き方を....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
一つ屍体がある筈ですがね」 その瞬間、ロンネの長身が竦んだように戦いて、殆んど
衝動的らしい、苦悩の色が浮かび上った。そして、ゴクゴク咽喉を鳴らして、唾を嚥み込....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
共に)なよたけ……… 琴の音。間―― 御行 (突然、つかつかと土間に入って来る。
衝動的に)お爺さん! 私はもうこれ以上我慢が出来ません! 私は私の思った通りのこ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
なるためには、その感動は常に持続しなくてはなりません。 しかるに私たちの感動は
衝動的なもので持続しはしないから、私たちは実行を決定する時には他の利害の観念のご....