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「衣冠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衣冠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
支配の外に超然としていることの出来るものではない。我我の祖先は「神」と言う言葉に衣冠束帯の人物を髣髴《ほうふつ》していた。しかし我我は同じ言葉に髯《ひげ》の長い....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
く控えていた。左大臣頼長を始めとして、あらゆる殿上人《てんじょうびと》はいずれも衣冠《いかん》を正しくして列《なら》んでいた。岸の両側の大路小路も見物の群れで埋....
乱世」より 著者:菊池寛
臣たちは式台の上に上ることを許された。十三人の敗兵たちは、白洲の上に蹲っていた。衣冠束帯の威儀を正した鎮撫使の橋本少将が、厳かな口調で、次のようにいい渡した。 ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るらしく思われた。 さらに正面の棺を破ってみると、棺中の人は髪がすでに斑白で、衣冠鮮明、その相貌は生けるが如くである。棺のうちには厚さ一尺ほどに雲母を敷き、白....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
追いこまれてしまった。 見れば、正面に壮大な宮殿のようなものがあって、殿上には衣冠の人が坐っている。階下には侍衛らしい者が、数千人も控えている。いずれも一寸あ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
に近い太子陵の東にある石穴のなかを猟ると、ここに幾匹の虎を獲た。穴の奥には道士の衣冠や金簡のたぐい、人の毛髪や骨のたぐいがたくさんに残っていた。これがすなわち毎....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
した。彼は商山にかくれていた四皓にしたがい、道を学んで世を終ったので、その家では衣冠と黄石とを併せて葬った。占う者は常にその墓の上に、黄いろい気が数丈の高さにの....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
山の杉木立では、秋の蝉が破れた笛を吹くように咽んでいた。 さらに奥深く進んで、衣冠を着けたる一個の偶像を見た。この瞬間に、わたしもまた一種の英雄崇拝者であると....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
寺で暮すという身分にでもなったとしたら、私は直ちにパンタロンは紙屑屋へ売飛ばして衣冠束帯で身を固めるであろう。 先ず花の下には花の下の味があり、鉄管の中にはま....
連環記」より 著者:幸田露伴
く言った。石の帯というは、黒漆の革の帯の背部の飾りを、石で造ったものをいうので、衣冠束帯の当時の朝服の帯であり、位階によりて定制があり、紀伊石帯、出雲石帯等があ....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
ち罪に服す」 「相伝う、維亭の張小舎、善く盗を察すと。たまたま市中を歩く。一人の衣冠甚だ整いたるが、草を荷う者に遭うて、数茎を抜き取り、因って厠にゆくを見る。張....
俊寛」より 著者:倉田百三
康頼 あゝ。わしはあの優雅な都の言葉がも一度聞きたい。あの殿上人の礼容ただしい衣冠と、そして美しい上※の品のよい装いがも一度見たい。 成経 この島の女は猿のよ....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
宝貨財眼も眩するばかりにて、その間には百人の勇士を右に、百人の美人を左に、古代の衣冠を着けたる一人の王は、端然として坐しいたり、余は跳上って喜べり、オオ生ける人....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
っぱり駄目だ。 (青年は残念そうに折れたる太刀をながめて立つ。しばしの沈黙。蛇は衣冠を着け、優美なる姿にて奥よりあらわる。) 翁 ああ、婿が来た。 嫗 え。(い....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
来る。 中国人の書は、形態はよいが内容において欠けている。言わば、役者の殿様が衣冠束帯をつけたようなもので、なるほど、見てくれは殿様らしく立派だが、所詮、役者....