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衣冠束帯
「衣冠束帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衣冠束帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
支配の外に超然としていることの出来るものではない。我我の祖先は「神」と言う言葉に
衣冠束帯の人物を髣髴《ほうふつ》していた。しかし我我は同じ言葉に髯《ひげ》の長い....
「乱世」より 著者:菊池寛
臣たちは式台の上に上ることを許された。十三人の敗兵たちは、白洲の上に蹲っていた。
衣冠束帯の威儀を正した鎮撫使の橋本少将が、厳かな口調で、次のようにいい渡した。 ....
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
いう女と仙仙という女がわけて美しかった。二人はもっとも曾に寵愛せられた。曾はもう
衣冠束帯して朝廷にも往かずに、毎日|酒宴を催していた。ある日曾は、自分が賤しかっ....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
い信用もどうかと思われるとき単身その地に乗りこんだこの血気の男は、ものものしげな
衣冠束帯の行列をつくって上陸した岡本権判官の一行を迎えて、何故かその形式に流れた....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
前を通ると、社内に一パイ人だかりがしている。何事かと思って覗いてみると勿体らしい
衣冠束帯をした櫛田神社の宮司が、拝殿の上に立って長い髯を撫でながら演説をしている....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
寺で暮すという身分にでもなったとしたら、私は直ちにパンタロンは紙屑屋へ売飛ばして
衣冠束帯で身を固めるであろう。 先ず花の下には花の下の味があり、鉄管の中にはま....
「連環記」より 著者:幸田露伴
く言った。石の帯というは、黒漆の革の帯の背部の飾りを、石で造ったものをいうので、
衣冠束帯の当時の朝服の帯であり、位階によりて定制があり、紀伊石帯、出雲石帯等があ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と震動すると見る間に、すっくと床の間いっぱいに立ち上りましたが、それは骸骨の上に
衣冠束帯を着けて現われました。
しかし、それも夢としては、さのみ不自然ではあり....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
あら怪しやな」なんぞと騒がれてみたがったり、また大先輩の石川五右衛門氏のように、
衣冠束帯の大百日《だいひゃくにち》で、六法をきってみようというような華美《はで》....
「小翠」より 著者:田中貢太郎
知ってひどく心配したがどうすることもできなかった。ある夜王侍御が早く寝た。小翠は
衣冠束帯して宰相に扮装したうえに、白い糸でたくさんなつくり髭までこしらえ、二人の....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
てこれを述べることにしよう。 上文に述べたような楽屋を有する三条西実隆に、もし
衣冠束帯をさしたならばどんな者になるであろうか。これがこれからして予の描こうとす....
「母親」より 著者:豊島与志雄
詣の子供たちの氏名を書き留めるのであろう。拝殿の前面には、美装の人々が立ち並び、
衣冠束帯の神官から清め祓いを受け、白紙に包んだ御供物を貰い、そして右手の通路から....
「好日」より 著者:三好十郎
あんた方あ、その腹だ。高利貸しが義理の人情のと言うと、あんたらの眼で見りゃ、狸が
衣冠束帯で出て来たように見えるのかいな! ふん! その狸にだ、生きるの死ぬのと言....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
しろ弘法滅後百年間の変遷の方がはるかに著しい。風俗の上ではいつの間にか平安時代風
衣冠束帯ができている。女は長い髪をひきずって歩く。今の洋装のように体の輪郭を自由....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
来る。 中国人の書は、形態はよいが内容において欠けている。言わば、役者の殿様が
衣冠束帯をつけたようなもので、なるほど、見てくれは殿様らしく立派だが、所詮、役者....