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衣食
「衣食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衣食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
す。」
「それにしても、ちと横暴すぎることが多いのでね。そうそう一度などは獄屋へ
衣食を送る件《くだり》を書いたので、やはり五六行削られたことがありました。」
....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
吸われないのは悲惨《ひさん》である。悲惨?――あるいは悲惨ではないかも知れない。
衣食の計に追われている窮民《きゅうみん》の苦痛に比《くら》べれば、六十何銭かを歎....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
をただ芸術的な気質《きしつ》を持った僕等の一人《ひとり》に考えていた。しかし彼は
衣食する上にはある英字新聞の記者を勤《つと》めているのだった。僕はどう云う芸術家....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いるのを。鳥は今度の大地震にも困ると云うことを知らないであろう。しかし我我人間は
衣食住の便宜を失った為にあらゆる苦痛を味わっている。いや、
衣食住どころではない。....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ょう。御食事は勿論、御召し物さえ、御不自由勝ちに違いありませんから。」
「いや、
衣食は春秋《はるあき》二度ずつ、肥前《ひぜん》の国|鹿瀬《かせ》の荘《しょう》か....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
だったのを思い出した。僕等は二人ともこの七月に大学の英文科を卒業していた。従って
衣食の計《はかりごと》を立てることは僕等の目前に迫っていた。僕はだんだん八犬伝を....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
は経済的には自分の力だけの範囲で生活する覚悟でいますが、従来親譲りの遺産によって
衣食してきた関係上、思うようにいかない境遇に追いつめられるかもしれません。そんな....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
らざりしゆえなり。 渠はまた貴族的生活を喜ばず、好みて下等社会の境遇を甘んじ、
衣食の美と辺幅の修飾とを求めざりき。渠のあまりに平民的なる、その度を放越《ほうえ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
星を仰いだのである。 二十九 ○男金女土大に吉、子五人か九人あり
衣食満ち富貴にして―― 男金女土こそ大吉よ
衣食みちみち…………....
「親子」より 著者:有島武郎
なってやろう、彼はその瞬間はたとそう思ったりした。自分の本質のために父が甘んじて
衣食を給してくれているとの信頼が、三十にも手のとどく自分としては虫のよすぎること....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
人が朝日を拝して立宗したのは、真の日本仏教が成立したことを意味する。 熱帯では
衣食住に心を労することなく、殊に支配階級は奴隷経済の上に抽象的な形而上の瞑想にふ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
の理想社會は、經濟單位と生活單位とを完全に分離するものである。 即ちそこでは、
衣食住や育兒等の所謂家事勞働のすべては、部落の完備せる共同施設において、誠心と優....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
とともに金沢の家を引払い、去年よりここに移りたるなり。もとより巨額の公債を有し、
衣食に事欠かざれば、花車風流に日を送りて、何の不足もあらざる身なるに、月の如くそ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
|時も早くそのつもりになってもらわねばならぬ。現世の生活にありては、主なるものが
衣食住の苦労、大概の人間はただそれっきりの事にあくせくして一|生を過して了うので....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
米)。 その後にようやく景気が立ちなおってからも、一流の大家を除く外、ほとんど
衣食に窮せざるものはない有様で、近江新報その他の地方新聞の続き物を同人の腕こきが....