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表れ
「表れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
出てくる自然主義者の顔と女郎屋《じょろうや》から出てくる芸術至上主義者の顔とその
表れている醜悪《しゅうあく》の表情に何らかの高下があるだろうか。すこし例は違うが....
「不周山」より 著者:井上紅梅
リと彼女を見詰めているのを認めたが、それは全身を鉄片で包み、顔色には失望と恐怖が
表れている。 「今のは何ごとだね?」彼女は自ずとそう訊くのであった。 「ああ、天....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、思わず外部の特色の根に複雑な用意仕掛けがしてあるのを認め、その用意のために外に
表れている特色が根強くしっかりとしていることが判るのであります。 私がある知合....
「明暗」より 著者:岡本かの子
菓子をでもねだるように智子の教唆をねだり続けるのであった。智子は、そういう性格の
表れに、三木雄の執拗な方面をも知り得るのであった。生後二十余年間未開のままで蓄積....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
見る方の見物も、見られる方の役者も、芸の上での張り合いが出来る訣だ。 写楽の絵に
表れた女形の醜さは、絵に描くときに隠し切れぬ、男の「女」としての醜さである。写楽....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が、ただの農民の妻だったに過ぎぬが、いかにもお人よしの隔てのない愛敬がその顔にも
表れていた。 私は先ずミルクを所望した。 セーニャが今度は後ろから、姉さんの....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
えるもののようであった。わたしはかれの優しい悲しそうな目のうちに、険しい目つきの
表れたのを見ておどろいた。だれでも悪い人間といっしょにいると、いつかそれに似てく....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
た、というような事情ではなかったろうか。今日雑誌などの新年号が既に十二月の中旬に
表れるのを見れば、此の如き臆測を容れる余地が無いとも思われない。現に此書の末尾に....
「諦めている子供たち」より 著者:坂口安吾
があるが、子供にはそれがないから、彼らの諦観はむしろ大人よりも野放図もなく逞しく
表れてくるのである。 こういう諦観はおそらく半年雪にとざされ太陽から距てられて....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ら、彼は遠からず記憶をとりもどすでしょう。彼の記憶喪失は分裂病のように異常状態の
表れが複雑じゃないから、故障もごく単純なような気がするのさ。こう手軽に見るのは素....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
に至って、それが離婚の堅い決意、ならびに去る妻への限りなき愛惜とイタワリとなって
表れたもののようだ。 まさしく氏の思索の結論の通りであろう。真の自由というもの....
「風博士」より 著者:坂口安吾
に僕の顔を凝視めていたが、やがて失念していたものをありありと思い出した深い感動が
表れたのであった。 「TATATATATAH!」 已にその瞬間、僕は鋭い叫び声....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
煙たがるようになっているのだ。けれども、それを意識せず、あげて私への侮蔑となって
表れてくる。 ところが、この恋が、却々うまく行かないのだ。 大浦種則は美代子....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
も、道楽もない。彼の為す一切合財のものが全て天下一でなければ納らない狂的な意欲の
表れがあるのみ。ためらいの跡がなく、一歩でも、控えてみたという形跡がない。天下の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
欲して為し得ぬ悩みは、生きているのはやさしいが死ぬことはむずかしいと言葉となって
表れたのです。私自身の生死のことではなく、風守さまという架空のお方の生死について....