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表層
「表層〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表層の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪異考」より 著者:寺田寅彦
が、要するに物理的には全くただ小規模の地震であって、それが小局部にかつ多くは地殻
表層に近く起こるというに過ぎないであろうと判断される。 もし「孕のジャン」とし....
「物理学圏外の物理的現象」より 著者:寺田寅彦
摩擦のちがうことを見て考え込んでいたことがあるが、これは近年になって固体や液体の
表層に吸着した単分子層の研究の先駆をなしたものであった。これと似寄ったことでは、....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
果として読者の意識の底におぼろげに動きはじめたある物を、次に来る言葉の力で意識の
表層に引き上げ、そうして強い閃光でそれを照らし出すというのでなかったら、その作品....
「春六題」より 著者:寺田寅彦
そのままに祭壇の上に並べ飾って賛美するのもいいかもしれない。それはちょうど人生の
表層に浮き上がった現象をそのままに遠くからながめて甘く美しいロマンスに酔おうとす....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
由が自分の意識の水平面以下に潜在している証拠だと思われる。それをわれわれの意識の
表層だけに組み立てた浅はかな理論や、人からの入れ知恵にこだわって無理に押えつけね....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
ある。 さび、しおり、おもかげ、余情等種々な符号で現わされたものはすべて対象の
表層における識閾よりも以下に潜在する真実の相貌であって、しかも、それは散文的な言....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
合った。その時自分の意識の底層に郷里の高知の町の影像が動きかけたが、それっきりで
表層までは現われないで消えていた。それが夢の中で高知の播磨屋橋を呼び出し、また飛....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
な相貌をした岩片も散在している。このままの形で降ったものか、それとも大きな岩塊の
表層が剥脱したものか、どうか、これだけでは判断しにくいが、おそらく後者であろう。....
「小爆発二件」より 著者:寺田寅彦
不思議に思われた。この事実から考えると最初に出るあの多量の水蒸気は主として火口の
表層に含まれていた水から生じたもので、爆発の原動力をなしたと思われる深層からのガ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にして言えば、人の本心の目に見えざる流れとも称すべきものをまったく知らなかった。
表層からは受け入れられていたが、下層のフランスとは一致してるところがあまりなかっ....