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表紙
「表紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
かだった。彼はこう言う往来をはるばる本郷へ帰る途中、絶えず彼の懐ろの中に鋼鉄色の
表紙をした「ツアラトストラ」を感じていた。しかし又同時に口の中には何度も彼自身を....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
冊、夜窓鬼談《やそうきだん》や月耕漫画《げっこうまんが》などと一しょに、石版刷の
表紙を並べて居りました。そこで店先に佇《たたず》みながら、何気なくその風俗画報を....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
一冊ずつ動き出して、自然にテエブルの上まで飛んで来ました。そのまた飛び方が両方へ
表紙を開いて、夏の夕方に飛び交う蝙蝠《こうもり》のように、ひらひらと宙へ舞上るの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の御金を貰いに行くんですからね。」
藤沢はこう云いながら、手近の帳場机にある紙
表紙の古本をとり上げたが、所々《ところどころ》好い加減に頁を繰ると、すぐに俊助の....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
たりするだけです。五六日前の午後のことです。僕はやはり木枕をしたまま、厚い渋紙の
表紙をかけた「大久保武蔵鐙《おおくぼむさしあぶみ》」を読んでいました。するとそこ....
「星座」より 著者:有島武郎
の中央にあるたものちゃぶ台には読みさしの英語の本が開いたまま伏せてあったが、その
表紙には反物のたとう紙で綿密に上
表紙がかけてあった。男である園は、その部屋の中で....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と富坂寄の大道へ出した露店の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、
表紙の除れた、けばの立った、端摺の甚い、三世相を開けて、燻ぼったカンテラの燈で見....
「親子」より 著者:有島武郎
ていたのだ。 「もう着くぞ」 父はすぐそばでこう言った。銀行から歳暮によこす皮
表紙の懐中手帳に、細手の鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
鹿子の切が解けて浮いて、トちらりと見たのは、一条の真赤な蛇。手箱ほど部の重った、
表紙に彩色絵の草紙を巻いて――鼓の転がるように流れたのが、たちまち、紅の雫を挙げ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
取ると、坐り直して、売りものに花だろう、前垂に据えて、その縮緬の縞でない、厚紙の
表紙を撫でた。 「どうぞ、お掛けなさいまして、まあ、どうぞ。」 はなからその気....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
門の居室は閉ったままで、ただほのかに見える散れ松葉のその模様が、懐しい百人一首の
表紙に見えた。 (明治四十年一月)....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
私の存じて居る限りは逐一申上げて了いましょう。話が少し堅うございまして、何やら青
表紙臭くなるかも存じませぬが、それは何卒大目に見逃がして戴きます。又私の申上げる....
「我が宗教観」より 著者:淡島寒月
けて語録の類や宗教書を三倉や浅倉で買った事もありました。その宗教書も、菎蒻本や黄
表紙を売った時、一緒に売ってしまいました。かく禅以外にもいろいろの宗教をやって見....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
書棚を見上げた。それから「希臘神話」と云う一冊の本へ目を通すことにした。黄いろい
表紙をした「希臘神話」は子供の為に書かれたものらしかった。けれども偶然僕の読んだ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は製本をしたのだそうである。 かように製本をしている間に、ファラデーは単に本の
表紙だけではなく、内容までも目を通すようになった。その中でも、よく読んだのは、ワ....