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「表象〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

表象の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
松江印象記」より 著者:芥川竜之介
く日本化し去ったのである。寺院の堂塔が王朝時代の建築を代表するように、封建時代を表象すべき建築物を求めるとしたら天主閣を除いて自分たちは何を見いだすことができる....
冬の蠅」より 著者:梶井基次郎
て同じことを繰り返していた。 「蠅と日光浴をしている男」いま諸君の目にはそうした表象が浮かんでいるにちがいない。日光浴を書いたついでに私はもう一つの表象「日光浴....
闇の書」より 著者:梶井基次郎
その路に見入っていた。父の妻、私の娘、美しい母、紫色の着物をきた人。苦しい種々の表象が私の心のなかを紛乱して通った。突然、私は母に向かって言った。 「あの路へ歩....
筧の話」より 著者:梶井基次郎
何という錯誤だろう! 私は物体が二つに見える酔っ払いのように、同じ現実から二つの表象を見なければならなかったのだ。しかもその一方は理想の光に輝かされ、もう一方は....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
し例は違うが、小説「放浪」に描かれたる肉霊合致の全我的活動なるものは、その論理と表象の方法が新しくなったほかに、かつて本能満足主義という名の下に考量されたものと....
家霊」より 著者:岡本かの子
る。 作者はこの老人が此夜《このよ》に限らず時々得意とも慨嘆ともつかない気分の表象としてする仕方話のポーズを茲《ここ》に紹介する。 「わしのやる彫金は、ほかの....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
出よう。 私はまず愛を出発点として芸術を考えて見る。 凡ての思想凡ての行為は表象である。 表象とは愛が己れ自ら表現するための煩悶である。その煩悶の結果が即....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
(アッタール Atthar)をその子として礼拝した。アッシリアの諸王はその尊貴の表象として掛けていた首輪から三つの護符を胸に垂らしていたが、その一つは月の鎌の形....
河明り」より 著者:岡本かの子
い窓から射し入る陽の光がステンドグラスの加減で、虹ともつかず、花明りともつかない表象の世界を幻出させている。それを眺めていると、心が虚になって、肉体が幻の彩りの....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ホルンの弱音器記号に|+という符号を使っている。ところが、それは傍ら棺龕十字架の表象でもあり、また数論占星学では、三惑星の星座連結を表わしているのだ」と法水は、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らでもあり、かつは情熱の燃ゆる瞬間にあらわれる一種の浅薄な感情と、虚偽な性格との表象とも言うべきであった。彼は鏡をじっと眺めた。彼の容貌に、こんなにも豊かな美し....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
権兵衛と――そう二つの名が重なり合っていることは、おそらく里虹のみが知る双生児の表象であろうし、さらに、実の妹とも知らずお袖と懇ろにした、骨肉相姦の意味も必ずや....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
に保温されて、床脇の違い棚の上に華奢な鶯の籠が載せてある。鶴見にはそれがこの室の表象ででもあるように目立って見えた。鶯は籠の中を時計の振子のようにあちこちと動い....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
致している。したがって普通には獅子舞或いは越後獅子などの類で、獅子奮迅踴躍の状を表象したものとして解せられているが、奇態な事にはその旧仙台領地方に行わるるものが....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
めた。 「諸君、八十一人の議員諸君、諸君の数は九九、八十一であって、実によき数を表象しておられるのであります。九は成長の数であり上吉を表すものであります。さて大....