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表門
「表門〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
表門の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
員か何かになっていたはずである。……
「開戦!」
この時こう云う声を挙げたのは
表門《おもてもん》の前に陣取った、やはり四五人の敵軍である。敵軍はきょうも弁護士....
「或る女」より 著者:有島武郎
を幾度もあちこちして監視補たちの目にかかるのもうるさかったので、すごすごと税関の
表門を県庁のほうに引き返した。
二三
その夕方倉地がほこりにまぶれ汗にまぶ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
る処あるつもりで、」 いつの間にか、有名な随神門も知らず知らず通越した、北口を
表門へ出てしまった。 社は山に向い、直ぐ畠で、かえって裏門が町続きになっている....
「春昼」より 著者:泉鏡花
、邪魔も何もござりましねえ。はい、お前様、何か尋ねごとさっしゃるかね。彼処の家は
表門さ閉っておりませども、貸家ではねえが……」 その手拭を、裾と一緒に、下から....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
らぬ証拠をつきつけて、あの大将の口から聞くんだ。さあ、君はさきへ帰りたまえ。僕は
表門から案内を乞うから」と、帆村ははじめて事件の内容を語ったのだった。 光枝が....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
山寺に、兇賊籠ると知れて、まだ邏卒といった時分、捕方が多人数、隠家を取巻いた時、
表門の真只中へ、その親仁だと言います、六尺一つの丸裸体、脚絆を堅く、草鞋を引〆め....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
1 英蘭西岸の名港リバプールの北郊に、ブルートという町がある。 このブルートには、監獄があった。 或朝、この監獄の
表門が、ぎしぎしと左右に開かれ、中から頭に包帯した一人の東洋人らしい男が送り出さ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
第二隊は裏の入口より進む。それから第三隊は門内の庭木の中にひそんで待機をしながら
表門を警戒している。本官とこの少年は第一隊に加わって表玄関より進む。――よいか。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
その筋の諜者を勤むる、狐店の親方を誘うて、この三人、十分に支度をした。 二人は
表門へ立向い、仁右衛門はただ一人、怪しきものは突殺そう。狸に化けた人間を打殺すに....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
指すと共に、斉く扇子を膝に支いて身体ごと向直る……それにさえ一息して、 「それは
表門でござった……坂も広い。私が覚えたのは、もそっと道が狭うて、急な上坂の中途の....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
りでたよりにはならぬが、近い上に心安い。 それにちと間はあるが、そこから一目の
表門の直ぐ内に、長屋だちが一軒あって、抱え車夫が住んでいて、かく旦那が留守の折か....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ちゃげて馳け出した。追っ馳けて来たのは、一つのすこぶる肥大の黒狗で、これはいつも
表門の番をしているのだが、なぜかしらんきょうは裏門に来ていた。黒狗はわんわん追い....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
なく眼が気味悪く光って来て、彼等の秘密を説き破った頃には顔じゅうが真青になった。
表門の外には大勢の人が立っていて、趙貴翁と彼の犬もその中に交って皆恐る恐る近寄っ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
田も言を添えにける。銀平とんと胸を叩きて、「御配慮なされますな。と気軽に飛出し、
表門の前を足早に行懸れば、前途より年|少き好男子の此方に来懸るにはたと行逢いけり....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
うなぎ屋の須崎屋、牛肉の外にも冬になると猪や猿を食わせる豊田屋、それから回向院の
表門に近い横町にあった「坊主軍鶏――」こう一々数え立てて見ると、本所でも名高い食....