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衰弱
「衰弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衰弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
さも驚いたように「はい唯今《ただいま》」と返事をした。
五
玄鶴はだんだん
衰弱して行った。彼の永年の病苦は勿論《もちろん》、彼の背中から腰へかけた床ずれの....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
たわけではない。彼の視力は幸福なことに(?)もうそれがはっきりとは見えないほど、
衰弱していたのである。
「これはお尋ねにあずかって恐縮至極でございますな。手前の....
「影」より 著者:芥川竜之介
に間《ま》に合うまい。――じゃ頼むよ。――何? 医者に来て貰った?――それは神経
衰弱に違いないさ。よろしい。さようなら。」
陳は受話器を元の位置に戻すと、なぜ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
く》にトックに話しました。
「そうか。じゃやめにしよう。なにしろクラバックは神経
衰弱だからね。……僕もこの二三週間は眠られないのに弱っているのだ。」
「どうだね....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
ああ、この頃はずっと達者のようだ。あいつも東京にいる時分は、随分《ずいぶん》神経
衰弱もひどかったのだが、――あの時分は君も知っているね。」
「知っている。が、神....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
うじょう》に手を尽した。しかし少しも効験《こうけん》は見えない。のみならず次第に
衰弱する。その上この頃は不如意《ふにょい》のため、思うように療治《りょうじ》をさ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
だり書いたりしたい気もちもあることは確かです。ここは旅行案内の広告によれば、神経
衰弱に善《よ》いとか云うことです。そのせいか狂人も二人《ふたり》ばかりいます。一....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
も狐の顔をしていた。
僕の母の死んだのは僕の十一の秋である。それは病の為よりも
衰弱の為に死んだのであろう。その死の前後の記憶だけは割り合にはっきりと残っている....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
倉修理《いたくらしゅり》は、病後の疲労が稍《やや》恢復すると同時に、はげしい神経
衰弱に襲われた。――
肩がはる。頭痛がする。日頃好んでする書見にさえ、身がは....
「或る女」より 著者:有島武郎
のりと暖かみを感ずるだろうと思われるほど暑くなっていた。葉子はきのうまでの疲労と
衰弱とに似ず、その日は起きるとから黙って臥《ね》てはいられないくらい、からだが動....
「星座」より 著者:有島武郎
といって彼は即刻《そっこく》東京に出かけてゆく手段を持ってはいないのだ。神経
衰弱の養生のために、家族を挙げて亜米利加《アメリカ》に行っている戸田教授でもいた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ました。積もる苦労、重なる失望、ひしひしと骨身にしみる寂しさ……私の躯はだんだん
衰弱してまいりました。 幾月かを過ごす中に、敵の監視もだんだん薄らぎましたので....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
元来あまり健康でなかった彼の体力は、数回のインフルエンザの為めに、回復し難き迄に
衰弱し、かくて一八九二年、(明治二十五年)九月五日を以て帰幽した。 右の如く、....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
ればなるまい。 近藤君に始めて会ったのは、丁度去年の今頃である。君はその時神経
衰弱とか号して甚意気が昂らなかった。が、殆丸太のような桜のステッキをついていた所....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ンダルの手を取って、全部をチンダルに譲ることにした。 ファラデーの心身は次第に
衰弱して来た。若い時分から悪かった記憶は著しく悪るくなり、他の感覚もまた鈍ってが....