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衰微
「衰微〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衰微の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
人からは、四五日前に暇を出された。前にも書いたように、当時京都の町は一通りならず
衰微《すいび》していた。今この下人が、永年、使われていた主人から、暇を出されたの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
」 「駒八と申します」 駒八は相当の農家であったが、いろいろの不幸つづきで今は
衰微しているという噂であると、お霜は付け加えて云った。 「じゃあ、まあ、きょうは....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
は経験したところである。文化のある時期には封建を必要とするのである。朝鮮の近世の
衰微は、過早に郡県政治が行なわれ、官吏の短い在職期間に、できるだけ多く搾取しよう....
「水の女」より 著者:折口信夫
もののように伝えられていたのだ。この風土記の上られた天平五年には、その信仰伝承が
衰微していたのであろう。だから儀式の現状を説く古の口述が、あるいは禊ぎのための水....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
に見物するような所もない寂しい町で、町の入口に停車場をもちながらも近年だんだんに
衰微の姿を見せているらしく、雪に閉じられた東北の暗い町は春が来てもやはり薄暗く沈....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
一 T君は語る。 そのころの軽井沢は寂れ切っていましたよ。それは明治二十四年の秋で、あの辺も
衰微の絶頂であったらしい。なにしろ昔の中仙道の宿場がすっかり寂れてしまって、土地....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
よ」 修験者らしい老人が、盃を口から離しながら、隣席の商人らしい男に云った。「
衰微していた征矢野家を、一時に隆盛にしたのですからな。修験道から云う時は『狐狗狸....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ている。泉水に水|禽でもいるのであろう、ハタ、ハタ、ハタと羽音がする。
「皇室の
衰微もはなはだしい。王覇の差別もなくなってしまった。どうともして本道へ返さなけれ....
「五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
信長は夫れほど重用せず、秀吉も重用しなかった、家康に至って稍用いたが、併し次第に
衰微した。 化学、物理、変装術、早走り、度胸、小太刀使い、機械体操式軽身術、機....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
望とが益々深く人心に浸み込むは是非も無い。 或いはこの夜の中に太陽の勢いが幾分か
衰微するかも知れぬなどと、強いて自ら慰める人も有ったけれど、午前三時に及んでは、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。勿論、一々詮議立てをしたら、彼にもいろいろの欠点があろうが、ともかくも明治以来
衰微にかたむいた我が劇界を腕一本で支えて、殆んど背負い切れないほどの負債を荷いな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、現実に得意の壇場に帰ったのであろう。たぶん、バアリイに死なれたセシルの運勢は、
衰微に向かっているのであろう。と、ベエコンは思うのだった。今日まで、一年間以上も....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
第にさかんならざるをえず。しかるにその教、近年に至り著しくその勢力を減じ、大いに
衰微の兆候を現ぜしはいかん。もしまた、精神上の文明はヤソ教より発生すというときは....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
支那に於ては唐朝の全盛時代に於て国民皆兵の制度破れ、爾来武を卑しみ漢民族国家
衰微の原因となった。民国革命後も日本の明治維新の如く国民皆兵に復帰する事が出来ず....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
新して一層の繁華を増すことであろう。 それにつけて思い出されるのは江戸川の桜の
衰微である。これは東京名所の一つがほろびたものとして、何といっても惜しいことであ....