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衰滅
「衰滅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衰滅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
しそうな、あの気持ちがあまりにもぴったりはいって来るからです。 ○
衰滅の美――という言葉があります。私達は、屋島《やしま》の戦いに敗れた平家の話や....
「予報省告示」より 著者:海野十三
五氷河期襲来前の〇・五パーセントしか存在せず、而《しか》も衰弱の徴が著しく、漸次
衰滅するものと思われる。 地球は今や金属の世界である。彼ら金属の智能と意志によ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
古い「江戸ッ子」も居るには居る。ただ北海道のアイヌ人が、日本人に圧迫されて次第に
衰滅して行くように、彼等も現在の新しい東京人に押されて、
衰滅の一路を辿っているこ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
飛ばしたり、大きな口をあいて「トンビ、トロロ」と歌った少年時代を追懐すると、鳶の
衰滅に対して一種の悲哀を感ぜずにはいられない。 むかしは矢羽根に雉または山鳥の....
「斗南先生」より 著者:中島敦
の牛後となり、二三省の地を割き二三万方里の土地四五千万の人民を得るも、何ぞ黄人の
衰滅に補あらん。又何ぞ白人の横行を妨げん。他年|煢々《けいけい》孤立、五洲の内を....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
あらゆる有効な肥料を施したらその結果はどうなるであろう。事によると肥料に食傷して
衰滅するかもしれない。貧乏のうちは硬骨なのが金持ちになって急に軟化するようにとも....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
よ。そうして、胎龍は精神の転落を続けて行ったのだが、勿論それに伴って、性的機能が
衰滅する事は云う迄もない。で、その症状を自覚したのが一転機となって、その後の事が....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、神という観念の不断の生長の歴史にすぎなかった。ユダヤ聖堂の没落、異教の世界の
衰滅、十字軍の失敗、法王ボニファス八世の屈辱、眩暈《めまい》するばかりの広い空間....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
無限の供給に堪えきれなくなった俳優の人材に不足はないけれども脚本飢饉の為に新派は
衰滅の道を取ろうとしていた時であった、「高野の義人」の時も佐藤紅緑氏が例によって....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
業そのもののような生気がとどまっている。けれども、それ以外には、はや終焉に近い、
衰滅の色が現れていた。歯が一本残らず抜け落ちているので、口を結ぶと、そこから下が....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
トについてどう考えられますか」 「古いありきたりの行き方をしていたのでは小売商は
衰滅するよりほかあるまいと思う。何しろ小売商人は多すぎる。小売商の平均売上高は一....
「人形芝居に関するノオト」より 著者:竹内勝太郎
れぞれの人形芝居が発達していた。之れは糸操りの人形である。それが近代に入って殆ど
衰滅に瀕していたのが復興され、再生されてピッコリ座となり、一九二八年の冬のシーズ....
「全体主義」より 著者:国枝史郎
である。国民は国家の一節であり一細胞である。 国家という全体が――即ち母体が、
衰滅に帰したならば、その細胞であり一節である国民が
衰滅することは必然であろう。 ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
って健康を損じて以来私は生活を一変せねばならぬ事になった。私は国民新聞社を辞して
衰滅に傾きつつあった『ホトトギス』を私一人の力で盛り返す事に尽力すべく決心したが....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
らを過ぎ、春亭《しゅんてい》(文政三年歿)春扇《しゅんせん》(二代春好)に至りて
衰滅せり。春亭は『歌舞妓年代記』の挿絵に鳥居の古画または先師春章の縮写をなせしと....