衰運[語句情報] » 衰運

「衰運〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

衰運の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
もの思う葦」より 著者:太宰治
ばひとはしらじな ひをふきしやまのあととも 右は、生田長江のうたである。「衰運」読者諸兄へのよき暗示ともなれば幸甚である。 君、あとひとつき寝れば、二十....
新樹の言葉」より 著者:太宰治
が、それから、すこし、まあ遊びはじめたのでしょうね、店は可成大きかったのですが、衰運の一途でした。あのときは全国的に呉服屋が、いけないようでした。いろいろ苦しい....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
うげつ》氏に別れては、楯《たて》なしでは突進も出来なかったではないか。それをもう衰運であり、他に彼女を引立てて、一座の明星《プリマドンナ》と輝かせ得るほどの対手....
『新新訳源氏物語』あとがき」より 著者:与謝野晶子
源氏が太上天皇に上った後のことは金色で塗りつぶしたのであったが、大胆な後の作者は衰運に向った源氏を書き出した。最愛の夫人|紫の上の死もそれである。女三の宮の物の....
書かれざる作品」より 著者:豊島与志雄
ち、縦横に駆馳して旗艦を逐い、輝かしい凱旋をする。然るに其後、彼女の生活は次第に衰運に向かい、新式の優秀な軍艦が相次で現われ、彼女は遂に記念物として、ミイラ的な....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ルローと。多衆の喜ぶところの凡庸の勝利である。運命はその皮肉に同意したのである。衰運においてナポレオンは、おのれの前にこんどは年少ウルムゼルを見いだした。 実....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
抹《とまつ》された百合《ゆり》の花、ノートル・ダーム寺院からもぎ取られた十字架、衰運になったファイエット、零落したラフィット、窮乏のうちに死んだバンジャマン・コ....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
嫌いが強すぎる。人を信頼するに過不足でありすぎる。 彼女の事業も、すでにかなり衰運に傾いているのではないかと放二は思っていた。彼女は、どこへ行くだろうか? そ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の盛運は健康の中にあると云われるように、たしかに当主が病弱だった鍵タは日とともに衰運に傾き、破産に瀕するところまで来ているらしい内情であった。家運の傾いたアセリ....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
界を腐敗させそのためルーテルをして宗教改革を叫ばしめ新教を樹立させカソリック教を衰運におとし入れたものの、ルネッサン期の大芸術家、又世界古今を通じての大天才たる....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
めておぼろに杜甫の詩想を認めしとは異なりしなるべし。 絵画の上よりいうも蕪村は衰運の極に生まれて盛んならんとして歿せしなり。蕪村はみずから画を造りしこと多く、....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けに来たのだな」 「人の好意すら、素直に受け取れなくなるということが、そもそも、衰運の人間のもつ根性だ。なんとでも思うがよい。明日とはいわない。もうやがて一刻の....