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衰頽
「衰頽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
衰頽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「並木」より 著者:島崎藤村
は築地《つきじ》行の電車に乗った。 友達に別れると、遽然《にわかに》相川は気の
衰頽《おとろえ》を感じた。和田倉橋から一つ橋の方へ、内濠《うちぼり》に添うて平坦....
「一兵卒」より 著者:田山花袋
った。敵の捨てて遁げた汚い洋館の板敷き、八畳くらいの室に、病兵、負傷兵が十五人、
衰頽と不潔と叫喚と重苦しい空気と、それにすさまじい蠅の群集、よく二十日も辛抱して....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
昔より以降、敢て其処を見るを得ず、今の次第|尤も恐るべきかといふ」 以上は源家
衰頽時代、建仁三年の出来事であるが、戦国時代にも人穴は、ほとんどそれと変りがなく....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
物で、頬をペタペタ叩かれるような気持をしながらも、ここまで来ると、岩石の美わしき
衰頽と壊滅は、古城の廃趾のように、寂びを伴って、その石なだれの尖端は、まっしぐら....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
ても四十一が来ても別に心持の若々しさを失わないのみならず肉体の方でもこれと云って
衰頽の兆候らしいものは認めないつもりでいた。それでもある若い人達の団体の中では自....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
込んで、ぼんやりし、がっかりしていた――ただ思い出にふけるばかりで。彼女は自分の
衰頽《すいたい》に気づいていた。それを恥じていた。そして息子《むすこ》にそれを隠....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
のありそうな口つきをし、耳朶《みみたぶ》のこわれた無格好な耳をしていて、まったく
衰頽《すいたい》した顔だちだった。アルシード・ゴーティエという名前だった。下層民....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
私は若い頃から、
衰頽の期間にいつも洟汁が流れて悩む習慣があった。青洟ではなく、透明な粘液的なもの....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
ばならない。私は解剖学に親しむにいたったが これは十分でなかったので、人体の自然
衰頽と腐敗をも観察しなければならないことになった。父は私の教育に際して、私に超自....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
も聡明なる協力により、最も同情あり効果ある助力により、又児童を歓迎して老来体力の
衰頽により図書館の利用不可能なるに至るまで、これを離るるに忍びざらしめこれにより....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
木彫りの世界はこういうあわれむべき有様でありましたので、私は、どうかしてこの
衰頽の状態を輓回したいものだと思い立ちました。ついては、何事によらず、一つの衰え....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は我が木彫の勢力を社会的に扶植しようということにあったというよりも我が木彫芸術の
衰頽を輓回するということにあったので、したがって、旧来私どもが師匠を取った時のよ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
王の興味が振り向けられたと思ったにちがいないちょうどそのとき、ちょうどレスターの
衰頽が彼のために輝かしい未来の道を開けてくれたと思われたそのとき――その瞬間に、....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、これ多くは外国人のこの府中に滞留せるものなりという。けだし、宗教のかくのごとく
衰頽せる原因は他なし。ローマは宗教の大首府にして、諸国より高僧大徳の来たり集まる....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
のことか不明であるが、興福寺北門外の悲田院がその西南に移されたのも、いずれ元興寺
衰頽の後のことと察せられる。『八重桜』には、悲田院はもと元興寺中の一院で、光明皇....