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袋物
「袋物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
袋物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「捨児」より 著者:芥川竜之介
隈《にいがたかいわい》を廻って歩きましたが、その時田原町の母の家の隣に住んでいた
袋物屋《ふくろものや》と、一つ汽車に乗り合せたのです。それが問わず語りに話した所....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を金にまかせて奪い取り、ふたり手を携えこの江戸に走りまして、四谷《よつや》の先に
袋物屋を営みおりますと知りましたゆえ、恥ずかしさもうち忘れあと追いかけまして、昔....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
女鳩男鳩が入乱れて、春光を浴びながら嬉々として何かを漁っていた。小意気な姐さんが
袋物の店を張る手を休めて、毎日眺めている可愛い小鳥達を、今日始めて見るように見惚....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
また此外に矢張りこれも同級の男で野崎というのがありましたが、此野崎の家は明神前で
袋物などをも商う傍、貸本屋を渡世にして居ました。ところが此処は朝夕学校への通り道....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
かのように思っていた。 渠等の多くは京伝や馬琴や三馬の生活を知っていた。売薬や
袋物を売ったり、下駄屋や差配人をして生活を営んでる傍ら小遣取りに小説を書いていた....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
。 それから、だれかに一寸おみやげにやる為めに、小さい万年筆やら、皮でこさえた
袋物やら、いろいろと買った。他のものは皆フランスへ帰ってから、又いろいろ買う事に....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
て見よう、一人では淋しい、連れをと云うので、是れは木挽町三丁目の岡村由兵衞と云う
袋物商と云うと体が宜しいが、仲買をしてお出入先から何品をと云うと、直に宮川へ駈付....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
で、とうとう大小をすててしまい、大須観音の盛り場の――今日いうところの門前町へ、
袋物の店を出し、商人として世を終った。 (その屋号を『かみ屋』と云い、今日も子孫....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
鉄の手錠は彼には少し重すぎた。いっそ戯作の足を洗い小さくともよいから店でも出し、
袋物でも商おうかしら? それに今こそ人気ではあるがいつ落ちないものでもなし、それ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
なく、そこらで売ってる仕入物が何でも嫌いで皆|手細工であった。紙入や銭入も決して
袋物屋の出来合を使わないで、手近にあり合せた袋で間に合わしていた。何でも個性を発....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
言えましょう。母も絵心のある人でした。母方の祖父も絵が好きでした。四条通りには、
袋物や古本の夜店がよう出ました。母はそんなところで、古い絵の本を買うてそれを写し....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
際私の落ちついたのは、中京も淋しい位静かな町筋の、暗く奥深い呉服屋や、古い扇屋、
袋物みせ、さては何を商う家とも、よそ土地の者には一寸分りかねるような家々に挟まれ....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
か分りませんが見覚えは有ります、お屋敷の御重役がお揃いに、あの芝口の紀の善という
袋物屋へ誂えてお拵えに成った頭巾でございます、御覧なさい、此処に印が押して有るの....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
ぼこ石を並べたその細いみちをわたしは眼にうかべた。駄菓子屋のぐったりした日よけ、
袋物屋の職人のうちの窓に出したぽつんとした稗蒔……遠く伝法院の木々の蝉が、あらし....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
々有名な店のあるところである。ここがせんべの売りどころという、塩せんべの田丸屋や
袋物屋の平野屋など有名である。 二十一、二年前は今の平野屋よりもうちょっと四丁....