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袒
「袒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
袒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
お》る金を融通しよう、いろ/\それに付いて貴公に頼む事がある、貴公も私の悪事に左
袒《さたん》して、それを喋って意趣返しをしようということもあるまい、お互いに綺麗....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
mour-passion の陶酔はまさしく「いき」からの背離である。「いき」に左
袒《さたん》する者は 〔amour-gou^t〕の淡い空気のうちで蕨《わらび》を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
この囚人《めしうど》はおよそ十人ばかりであろう。そのあとから二、三十人の男が片
袒《かたはだ》ぬぎで長い鉄の笞《むち》をふるって追い立てて来た。恐怖におののいて....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
烏天狗のような、一種不可思議の面を着けていた。袴は普通のもので、めいめいの単衣を
袒ぬぎにして腰に垂れ、浅黄または紅で染められた唐草模様の襦袢(?)の上に、舞楽の....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
私的生活をさえ犠牲にしなければならない人格的――倫理的――な規範となる。文化に左
袒すべきである人格は、文明過程の客観化物――経済・法律・更に又国家までも入れて―....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
避行を企てる他に道が断たれたことをハッキリ自覚している。いやでも夫が文学主義に左
袒しなければならない所以だ。
現在の文芸評論の賑々しさやその哲学らしいものとの....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
なのである。 凡ゆる非合理主義的文学理論に対しては、吾々はモダーニズム文学に左
袒する。だがそれ以上はモダーニズム文学を信用しない。 (一九三四・八) 17 ....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
すい政党と知りながら、なお且つ観念的に政党の肩を持つのは、政党の資本家的本質に左
袒して、反資本的革新(?)に対して反対しようというのではなくて、専ら資本家的本質....
「死者の書」より 著者:折口信夫
次第に凝り初めて、明るい光明の中に、胸・肩・頭・髪、はっきりと形を現じた。白々と
袒いだ美しい肌。浄く伏せたまみが、郎女の寝姿を見おろして居る。かの日の夕、山の端....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
知れない。その意味に於て彼を一の贖罪者と言おうとするなら、われ等も欣んでこれに左
袒する……。 (評釈) 主としてキリスト教を中心としての言説であるが、無論これは....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
した句の後の方では、セイは利用学説に労働価値説を混えた。だがセイは稀少性学説に左
袒しているようである。スミスは、むしろ幸なことには、土地を労働と同じく富のうちに....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
の政府と対立して恰も両政府の争なれば、外国人はおのおのその認むるところの政府に左
袒して干渉の端を開くの恐れありしといわんか。外人の眼を以て見るときは、戊辰におけ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
の縁に腰をおろして、焚火の弱い光りをたよりに額の傷の始末をしようとした。新九郎も
袒をくつろげて、腕の傷を朋輩に巻いて貰った。 「そこらに水はないか。」 眼に滲....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
の扱いに慣れた筈の人々までが、その妄想に過ぎざる非再建論に眩惑せられて、これに左
袒し、これを謳歌するもののあるのにむしろ公憤を感じ出した。すなわちさらに関野君の....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
心が大いに高まったようだ。私は「ラモナ」だけしか見ないが、無条件に天然色映画の左
袒者になれると思う。天然色と雖も染料の濃度は着色法が自由なわけだから、多少の誇張....