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「袖屏風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

袖屏風の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
六字の名号《みょうごう》を認《した》ためた。咲子は見ちゃ厭《いや》よと云いながら袖屏風《そでびょうぶ》をして曲りくねった字を書いた。十一になる男の子は僕は仮名で....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ウッフフ。京弥! なかなか軍師じゃのう。どんな風やら、さぞかし寒かろうぞ。菊めの袖屏風がないからのう。身共も吉原へでも参って、よい心中相手を探すかな」 「ま! ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
とんど同時さ、「身体から借りたいんだ。」「あれえ、」といったぜ。いやみな色気だ、袖屏風で倒れやがる、片膝はみ出させた、蹴出しでね。「騒ぐな。」と言句は凄いぜ、が....
鍛冶の母」より 著者:田中貢太郎
土間を仕切った二間ばかりの座敷があった。飛脚はちょっとそれに眼をやったが、入口に袖屏風を建ててあって内は見えなかった。鍛冶は顔をあげて見知らない客を見た。その手....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
も尋ぬる物の体が一目には見出し難いものですから、ややもすれば消えなんとする手燭を袖屏風《そでびょうぶ》にして、また一足、また一足、怖い人穴の中へ忍び入るような足....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
てさえ、悚然とする様子で、 お鉄(此奴あ念を入れて名告る程の事ではなかった)は袖屏風で、病人を労っていたのでありますが、 「さあさあ早くその中へ、お床は別々で....
秋毛」より 著者:宮本百合子
ロゾロと細い髪《かみ》が抜けて来る。 三度目位までは櫛一杯に抜毛がついて来る。袖屏風の陰で抜毛のついた櫛を握ってヨロヨロと立ちあがる抜《ぬ》け上《あが》った「....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ら隙見している弥生の顔がぽうっと紅をさした。まだ解けたことのない娘島田を傾けて、袖屏風《そでびょうぶ》に眼を隠しながら一心に祈る――何とぞどうぞ栄三郎さま、弥生....
丹下左膳」より 著者:林不忘
、ちょっと顎をしゃくって見せたきり、ひややかに家の中へ――。 二 お藤の、袖屏風した裸手燭が、隙もる夜風に横になびいて、消えなんとしてまたパッと燃えたつ。....
沼のほとり」より 著者:豊島与志雄
まという幼な時代通りの甘えた語調……。 食物は禁ぜられてるという面会所の隅で、袖屏風をつくって、重箱の中のおはぎをそっと示すと、梧郎は声を立てて喜びました。そ....