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袖幕
「袖幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
袖幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「南地心中」より 著者:泉鏡花
らさらどかどかです。荒いのと柔なのと、急ぐのと、入乱れた跫音を立てて、七八人。小
袖幕で囲ったような婦の中から、赫と真赤な顔をして、痩せた酒顛童子という、三分刈り....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
て春となった。元禄時代の春と来ては、それこそ素晴らしいものである。「花見の宴に小
袖幕を張り、酒を燗するに伽羅を焚き」と、その頃の文献に記されてあるが、それは全く....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
出かけたものである。 行列は極めて小人数であったが、さて山内へ着いて見ると、小
袖幕で囲い設けた立派な観桜席が出来ていて、赤毛氈に重詰の数々、華やかな茵、蒔絵の....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
に向って、中腰に膝を寄せた。寄せたその片褄が、ずるりと前下りに、前刻のままで、小
袖幕の綻びから一重桜が――芝居の花道の路之助のは、ただこれよりも緋が燃えた――誘....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
のぎに、始めましょうか」 「やりましょう。そこの幕をひとつ懸け廻して」 と、小
袖幕のうちにかくれると、彼らは、妾や手代に酒をつがせて、南蛮船が近ごろ日本へ齎し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
弓の的場を変えた俄舞台は、よしず囲いに、よしず廂。背景においた屏風と両わきの
袖幕とが、装置といえばいえもする。 夜空には、たくさんな星。 またここにも、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
。客院用の酒壺はもちろん庫裡に充ちていよう。高時もかつての春には、ここの山門で小
袖幕を張らせ、舶載の毛氈をのべて、花見の宴に遊び暮らしたこともある。――そんな日....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の場所には、館の庭のほどよい所が見たてられた。 散所民の芸人たちは、竿を立て、
袖幕を張り、笛太鼓座などのしたくがすむと、 「こちらは、いつでも」 と、見物が....